ソトコト ソーシャル&エコ・マガジン

福岡伸一の生命浮遊

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vol.120 STAP細胞への逆風

優れた可能性をもった多分化能幹細胞をごく簡単な方法で作り得た──全世界が瞠目したSTAP細胞の発見をめぐる状況がにわかに揺らぎ始めた。そもそも日本のメディアが連日報道したのは、発見者の小保方晴子博士が若い理系女子だったからだが、なんといっても最も権威ある科学専門誌ネイチャーに2つの関連論文が同時に掲載されたこと──

vol.119 STAP細胞 その1

科学上の発見ということを超えて、社会的な流行現象にまでなっているSTAP細胞。ここまでメディアが過熱して報道し、注目の的になっているのは、なんといっても、STAP細胞の発見者・小保方晴子さんが、白衣のかわりに割烹着をまとい、研究室の壁をパステル色に染めているという、まだ駆け出しの女性研究者だったことによる。

vol.118 記憶は遺伝するか2

ある特別な匂い(この実験の場合はサクラの花びらのよい香り)がすると、しばらくして床にびりっと電流が流れる。こんな仕掛けでマウスを何度か訓練すると、すぐに2つの事象の関連性を学習して、マウスはサクラの香りがしただけで、電気ショックにそなえて身をすくめる動作をするようになる。

vol.117 記憶は遺伝するか1

アメリカ・エモリー大学のブライアン・ディアスとケリー・レスラーの研究チームは次のような実験を行い、2013年12月1日に論文を発表した。実験用のマウスに対して、まずアセトフェノンの匂いをかがせる。アセトフェノンはサクラの花びらの香り。マウスにとっては普通の飼育環境では体験することのない新しい匂いである。

vol.116 カハール・記憶・イシグロ

1906年、ノーベル賞委員会は、神経組織の解剖学的研究に寄与したことに対して、ゴルジとカハールにノーベル医学賞を同時に授与した。この分野の立役者ゴルジにとってノーベル賞の受賞はもちろんある意味で当然ではあったが、あとからこの分野に入ってきた──ゴルジからみると文字どおりの新参者だった──

vol.115 ゴルジとカハール

細胞内小器官ゴルジ体の発見者として、その名を科学史に残すカミッロ・ゴルジは19世紀イタリアの人。生の細胞をそのまま顕微鏡で観察しようとするとほとんど透明なため、どこからどこまでがひとつの細胞なのか、境界が見えない。また、細胞の中身もいったいどうなっているかよくわからない。

vol.114 ゴルジ体の謎

ゴルジ体、という言葉をどこかで聞いたことはあるだろうか。たとえば高校の生物学の時間。細胞の中にはミトコンドリア、植物なら葉緑体、そしてゴルジ体などの細胞内小器官がある。ミトコンドリアはエネルギー生産、葉緑体は光合成、そしてゴルジ体は分泌に関わっている。

vol.113 パラーディとトポロジーの科学

生物学は、ある意味では建築学と似ているかもしれない。私は何人かの建築家と話したことがあるが、彼らの持っている思考方法は、私たち生物学者が持っている思考方法と類似点があるのではないかと感じることがある。それはトポロジー的な思考ということである。

vol.112 ロックフェラー再訪

今年の4月からしばし日本を離れ、米国ニューヨーク市に滞在している。サバティカル(研究休暇)制度を利用して、当地にあるロックフェラー大学に客員研究員として留学しているのだ。ロックフェラー大学は1901年創立。それまでドイツに先導権を握られていた基礎医学の研究のイニシアティブを米国に引き寄せるため、財閥・ロックフェラーの肝いりで設立された。

vol.111 ヒトは男に生まれるのではない、男になるのだ

ネッティ・マリア・スティーブンズによる性染色体の発見は2つの大きな意味を持っていた。ひとつは、ヒトを含めて、多くの生物において、女になるか男になるかはあらかじめ遺伝子によって決定づけられている、ということである。そして、もうひとつは─こちらのほうがより重要だと私には思えるが─生物的には女性が基本形であり、男性はそこから横道にそれて、あとからつくられる、ということだった。

ゴミ、捨てんなよ!

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