ソトコト ソーシャル&エコ・マガジン

福岡伸一の生命浮遊

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vol.175 免疫システムの記憶と教育

免疫系は、自己と非自己、つまり自分の細胞と外敵(病原細菌やウイルス)を巧みに見分け、外敵を攻撃し、無力化、排除するのに活躍する。そのとき免疫系が、敵味方の“見分け”の手がかりにしているのは外敵の表面を構成しているタンパク質の立体構造である。免疫系は自分自身の細胞の表面とは異なった立体構造を有するタンパク質(つまり異物)を発見すると、これを攻撃して排除するように働く。

vol.173 免疫学研究の光と影

本庶佑にノーベル医学生理学賞授賞の報が飛び込んできた。ガンと免疫の関係については当コラムでも論じてきたが、本稿でもあらためて概観してみたい。このところ、わたしはいつもノーベル賞発表の季節になると大手新聞社の会議室に招集され、ネット中継でスウェーデン・カロリンスカの発表会場を見守ることになっている。

vol.165 DNAのシャッフリング

同じ父親と母親から生まれているのに、どうして兄弟姉妹でここまで容姿や性格が違うのか、なんてことがよく言われることがある。しかしそれは精子と卵子にDNAの情報がどのように分配されるかを知れば、違っていて当然のことだと納得できる。

vol.164 情報シャッフリング

精子がもたらす父方からのDNA情報量を50、卵子がもたらす母方からのDNA情報量を50、合わせて100の情報量が受精卵として合体して新しい生命がスタートする(正確にいえばX染色体とY染色体に情報量の差異があるのだが、これまた別の機会に述べることにしたい)。

vol.163 情報の分配

私たちヒトは、多細胞生物である。脳細胞、皮膚細胞、筋肉細胞、膵臓細胞など、姿形が異なるさまざまな細胞が役割分担をして、私という一個体の身体を構成している。その数はおよそ37兆個。この数は昔は約60兆個と長らく信じられてきた。私を含め生物学者も気にせずそれを使ってきたのだが、最近になって改訂された。

vol.156 GP2遺伝子を取り出す

直径10センチほどの円形のナイロンフィルターが何枚も目の前に並んでいる。一見、ただの白い薄切りの円盤。まさに千枚漬けだ。肉眼では見えないが、ここにはミクロなレベルで、重要な現象が積み重なっている。まずナイロンフィルターの表面には点々と、ライブラリーのcDNAが固定化されている。

vol.155 探査針はGPS

さて、いよいよ遺伝子の隠れ家を突き止めるときがきた。少し前の回に書いた千枚漬けの話を思い出していただけるだろうか。直径10センチほどの白いナイロン製の薄い円盤のことを千枚漬けに例えた。わたしたちはこの円盤のことを通常、フィルター、もしくはメンブレンと呼んでいる。

vol.154 アイソトープのラベル

前回は「宝探し」の準備の手順を説明した。今回はその続き。DNAライブラリーに由来するコロニーが固定された“千枚漬け”(円形のナイロンフィルター)を入れたジップロック・パックに、宝物を探査するためのプローブ(短い一本鎖DNA)を混ぜ、パックの入り口をシールして密封する。

vol.152 コロニーを転写した
フィルターを作る

これまでの回で、細胞で発現している遺伝子群、つまりメッセンジャーRNA(mRNA)をそのままDNAに写し取る方法、すなわちcDNAライブラリーを作る原理について細かいことをいろいろ説明してきた。ここから先は、いかにしてそのライブラリー(図書館)から、目的の書物を探し出すかについて考えてみよう。

vol.140 ミックスナッツを選り分けること

GP2とは、グリコプロテイン2型、つまり糖タンパク質というものの略称である。生命科学の世界ではよくこのような短縮形の符牒が出てくる。ILとかESとかHIVとか……。専門家同士はこれでわかるけれど、知らない人が聞いたら、まるで何のことやら皆目わからない。

ゴミ、捨てんなよ!

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