ソトコト ソーシャル&エコ・マガジン

福岡伸一の生命浮遊

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vol.177 フェルメールの“音楽”を再現する

私は、ニューヨークのフリック・コレクション美術館の大階段前のホールにたたずんでいた。ここは私が初めてホンモノのフェルメール作品に出合った場所だ。いまから30年も前のこと。当時、フェルメールの名前こそ知っていたものの(昆虫オタクだった私は顕微鏡の歴史をたどるうちにオランダのデルフトという小さな街で、顕微鏡の始祖アントニ・レーウェンフックとフェルメールが同時期、ごく近接して暮らしていたことを知った)、実際の絵を見たことはなかった。

vol.176 「フェルメール『音楽と指紋の謎』展」

現在、東京・恵比寿の『恵比寿三越』で、私が監修した「フェルメール『音楽と指紋の謎』展」を開催中である。そこで今回はちょっと連載の趣向を変えて、この展覧会に至った経緯を開陳してみたい。いまから数年前のある天気のよい日、ニューヨークのフリック・コレクション美術館の廊下でフェルメールの「稽古の中断」を見ていた私は、はっと息を呑んだ。

ゴミ、捨てんなよ!

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