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福岡伸一の生命浮遊

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vol.176 「フェルメール『音楽と指紋の謎』展」

現在、東京・恵比寿の『恵比寿三越』で、私が監修した「フェルメール『音楽と指紋の謎』展」を開催中である。そこで今回はちょっと連載の趣向を変えて、この展覧会に至った経緯を開陳してみたい。いまから数年前のある天気のよい日、ニューヨークのフリック・コレクション美術館の廊下でフェルメールの「稽古の中断」を見ていた私は、はっと息を呑んだ。

vol.175 免疫システムの記憶と教育

免疫系は、自己と非自己、つまり自分の細胞と外敵(病原細菌やウイルス)を巧みに見分け、外敵を攻撃し、無力化、排除するのに活躍する。そのとき免疫系が、敵味方の“見分け”の手がかりにしているのは外敵の表面を構成しているタンパク質の立体構造である。免疫系は自分自身の細胞の表面とは異なった立体構造を有するタンパク質(つまり異物)を発見すると、これを攻撃して排除するように働く。

vol.174 免疫系の働き

私たちの身体に備わっている免疫系は、外敵から身を守ってくれる最大の生命システムといえる。進化のプロセスで、魚が脊椎を獲得して以来、脊椎の内部で、免疫細胞をつくる仕組みが立ち上がった。だから背骨は体重を支えてくれる柱としてあるだけでなく、防衛の中核をも支えてくれている柱なのだ。

vol.173 免疫学研究の光と影

本庶佑にノーベル医学生理学賞授賞の報が飛び込んできた。ガンと免疫の関係については当コラムでも論じてきたが、本稿でもあらためて概観してみたい。このところ、わたしはいつもノーベル賞発表の季節になると大手新聞社の会議室に招集され、ネット中継でスウェーデン・カロリンスカの発表会場を見守ることになっている。

vol.172 画期的な実験法

アリマキは植物の茎に取りついて、細い口吻を表皮に差し込み、巧みに栄養分を吸い取る。これは蚊がヒトから血を吸い取る行為と非常に似ている。闇雲に針を突き立てても血は吸えない。皮膚の下を流れる毛細血管に向けて、正確にしかもすばやく針を下ろさなければならない。深度も重要である。蚊は、温度や血流を感知することができる。

vol.171 アリマキの超絶技巧

蚊の話から、アリマキの話に戻りたい。アリマキとは透明に近い薄緑色をした身体に、細い手足が生えた微小昆虫である。形は人間の涙に似ているが、涙の粒よりずっと小さい。植物の茎などに集団でとりついている。アリマキは、季節のよいときは、メスがメスを産む。オスの力をまったく必要としない。

vol.170 蚊に刺されると、なぜかゆいのか

生物としての蚊の話を続けたい。蚊は、ヒトの祖先がこの世界に出現した数百万年前にはすでに存在していたので、ヒト以前には何を獲物にしていたのか不思議に思う向きもあるかもしれない。蚊はヒト以前、はるかの昔、恐竜時代(ジュラ紀・約1億5000万年前)にはすでに生息していた。その時代の化石に発見されることからわかる。

vol.169 蚊に学ぶテクノロジー

蚊がいやなのは、刺された後、猛烈にかゆくなるからだ。もしかゆくならないでさえいれば、虫好きの私としては、蚊に微量の献血をするくらいなんのことはないし、喜んで助けてあげたいくらいだ。実際、蚊が刺しているとき、つまり口吻を皮膚に刺し入れる瞬間は、刺激がほとんどないので感じないことが多い。

vol.168 アリマキ vs. 蚊

季節のよいときはなんらオスの力を借りることなく、メスがメスを次々と産み出すことによって増殖するアリマキ。このアリマキの生態を、もう少しつぶさに見てみることにしたい。アリマキは昆虫である。だから、6本脚。身体は極小のティアドロップ形。透きとおるような薄い緑色をしている。

vol.167 アリマキ的人生

アリマキという小さな生物がいる。紡錘形のゴマ粒ほどの大きさで、虫メガネでよく見ると細い脚が6本ついている。つまりアリマキは昆虫の一種。アブラムシとも呼ばれるが、もちろんゴキブリとは違う。前回、書いたようにアリマキは季節がよいあいだは単為生殖で増殖する。つまりメスの個体が、オスの力を借りることなく、どんどん子どもを産むのだ。子どもはすべてメス。

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ゴミ、捨てんなよ!

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