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駒崎弘樹の日本の第三の道 違う音同士が奏で合うことで、ハーモニーが生まれる。それが多様性。

長谷部: 渋谷は、世界の先進都市と比べて劣っていないと思う。一番イケている場所だし、世界の都市をリードしていると僕は思っている。だけど、LGBTの課題に関しては非常に遅れていたんですよね。渋谷という街が成熟し国際都市として発展していく中では、セクシュアリティの多様性は通らないといけない課題なんですよね。

駒崎: 他の先進国では、制度も認識も進んでいますしね。

長谷部: ええ。だから僕がやらなくても、渋谷区の誰かがやっていたでしょう。だから、「パートナーシップ条例」が自分の手柄だなんて全然思ってないです。まちづくりの観点から見ても、大きな一歩。セクシュアリティの問題は、今までは、当事者の人たちが人権問題として向き合っていた。今回のLGBTの問題は、当事者ではない人たちが声を上げたことが大きいのかもしれない。

駒崎: たしかにそうですね。LGBTの人たちの存在や声が、周囲に浸透してきたということでしょうか。

長谷部: うん。誤解を恐れずにいうと、いまだLGBTを「気持ち悪い」という人もいる。残念ながらね。だけど、実は存在に慣れていないだけなんですよね。知らないだけ。LGBTの条例づくりに反対している人に対して、僕はロジカルに正当性を説明する自信があるし、事実そうしてきたつもりだし。

議会に提出したあとは、桑原敏武前・区長が条例化まで持っていってくれました。でも、桑原前・区長も最初はLGBTのことを頭ではわかっていたけど、心ではわからなかったと思うんだよね。だけど、3年かけて当事者に会ったりするうちに、区長や周りの人も変化していった。知ることによって、皆の意識の変化が条例に結び付いたと思う。

駒崎: 特に反対はなかった?

長谷部: 条例が可決されて僕が区長になってから、パートナーシップ証明書を発行するまでの間は、多少ディスられることはあるにせよ、基本的に世の中を含めて追い風でしたよね。

駒崎: 全国に先駆けて渋谷区がやったことで、波及効果もありましたしね。

長谷部: 実際に世田谷区に続いて宝塚市も要綱を定めると発表してるし、いろんな都市の市議からも問い合わせもきている。ついに動き出したなっていうのを実感していますね。

駒崎: 実際、ライフネット生命保険が同性パートナーへの死亡保険金受取人指定が可能になりましたね。

長谷部: ちゃんとした証明書を発行する環境が整えば、さらにこの動きは進んでいくでしょうね。やはり、渋谷区は多様性を尊重して、皆がそれに対して寛容な社会を目指していきたい。それこそ、成熟した社会の条件だと思う。

波及効果
昨年7月に定められた「世田谷区パートナーシップの宣誓の取扱いに関する要綱」を始め、兵庫県宝塚市や三重県伊賀市など全国の自治体が、制度開始に向け準備中。

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