伝説の流転企画「憂国呆談」が 『ソトコト』でサステイナブルに展開中! 帝国ホテルのコンファレンスルームより、 稀代の論客ふたりが送る ロハスな社会のためのクロストーク。 市場の倫理を忘れたがために起こった 100年に1度の金融破綻の教訓とは何か、 そして、不況を乗り越えるための社会制度や 明るい未来を照らすエネルギー政策を、 ふたつの鋭い視線が見据える。
憂いゴト
talk 16

ベーシック・インカム構想からエネルギーの多極化まで!

世界のエネルギー生産は多極化してくる

浅田:

今月の『ソトコト』(2009年4月号)はエネルギー特集だけど、バイオエタノールは、ブラジルがずいぶん頑張ってるね。アメリカも追随して生産量を増やしてるけど、食用(家畜の餌も含めて)との競合の問題があるし、急拡大のつけで金融危機のため資金繰りに行き詰まったりしてる。その点、ブラジルは石油危機のあと1970年代にすでにバイオエタノール計画を立て、着々と進めてきた。アマゾンの熱帯雨林まで開墾してサトウキビを植え始めたら問題だけど、今のところ、そこまでいかなくてもいくらでも土地がある。クルマも大部分がガソリンとエタノールのどちらも使えるフレックス仕様になってきてる。そういう意味で、ブラジルのバイオエタノール戦略はかなりうまくいったんじゃないかな。しかし、ブラジルのエタノール産業にはサウジアラビアをはじめとする産油国も投資し始めてる。両方、押さえときたいっていうしたたかな戦略だね。


田中:

この問題に限らず、日本にはそういう戦略が出てこないね。


浅田:

あるいは、スペインで太陽光発電が急速に伸びてきたでしょ。スペインは平地が多いし、日照量が半端じゃないから有利には違いないけれど、太陽光発電では日本も数年前までは技術的に世界一を誇ってたんだから、もっと国をあげて開発と普及を進めればよかったのに。
とにかく、これからの世界のエネルギーは、石油が相対化されるとともに、ますます多様化・多極化していくだろうね。


田中:

他方で、日本経済を曲がりなりにも牽引してきた自動車業界は深刻だ。見栄えさえ気にしなければ、日本の車は壊れないから買い替えなくても一向に構わないと気付いてしまったからね。加えて、稼ぎ頭の自動車ローン契約もほとんど止まってダブルパンチ。


浅田:

サブプライムローン問題は一昨年には表面化してた。アメリカ人が住宅を担保に自動車ローンを組んでたのは誰もが知ってたんだから、自動車需要が激減するのは目に見えてたんだよ。今ごろあたふたしてる自動車会社の経営者たちには、大きな責任がある。ともあれ、自動車業界の危機は長引くだろうね。






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