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塩がつくった人の文化。

 

日本では成人男性の約半数、女性でも約4割が高血圧症だとか……自分もだ。もう何年も警告をうけていたが、先般目 眩がするに及びドクターにこっぴどく怒られた。薬を飲め、規則正しく暮らせ、と注意点は様々だが、とりわけ気を払えと厳命されたのが塩分の摂取量。「1日7グラム以下ね」と指導されたがラーメン1杯の塩分が約6グラムというから、「毎日3食ラーメンが当たり前」の自分にしてみればかなりの努力目標だ。

だが、しかし。人間はそもそも塩分がなければ生きられない。健康な人で1日の必要摂取量は約10グラムというから本来は1人につき年間3.6キロの塩分が必要で、日本にいま成人が1億人ほどいるから全ての成人が1年間生存するには3億6000万キロもの塩分が必要なことになる。そこでイノチの糧=塩がいかに大事だったかを振り返る。

中国では塩の販売は皇帝の特権だったし、アフリカでは塩が黄金と同じ目方で交換されていたらしい。塩にまつわる世界遺産もいくつかある。モーツァルトゆかりの「ザルツブルク」は岩塩の採掘地だったし、ルイ王朝の「王立製塩所」は建築デザインが斬新、と世界遺産になった。

そしてもうひとつ、ポーランドの「ヴィエリチカ塩坑」はユニークだ。ワルシャワの南250キロ。一帯の大地は2000万年前の海が干上がって巨大な地下岩塩層を形成しているという。そこで13世紀からポーランド王が独占的に岩塩採掘を開始し巨富を手にしたが、その塩坑はなんと地下都市でもあった。深さ300メートルにも及ぶ坑道には作業所や待機所などの巨大な空間が無数に造られたが、人々はなんとそこに教会をも造ってしまった。シャンデリアや祭壇、柱などすべて塩の壁を彫り上げたものだ。岩窟教会ならぬ岩塩窟教会、そこで彼らは何を祈ったのか?

全盛期にはこの塩の迷宮で1万人もが働いていた。食事も地下でしていたか、食塩には困らなかっただろうが……血圧は大丈夫だった?

 
 TBS『THE世界遺産』http://www.tbs.co.jp/heritage/
(TBS系で毎週日曜午後6時より)
 


ロハストピックス

 
       (PDF:309KB)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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