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恒例のEU主催のオーガニックキャンペーン「Printemps Bio 2008」が、6月、フランス全土で開催された。イル・ド・フランス地域だけでも14か所でサロンが開催されたこのイベントには、多くの人々が訪れた。 連載最終回の今回は、そのキャンペーンに去年まで参加していたイル・ド・フランスはSOISY-SUR-ECOLE(スワジ・スュール・エコール)に位置する、パウロ小山さんの農家へ行ってきた。 日系ブラジル人の小山さんは、1996年より故郷のブラジルからイル・ド・フランスへ移住し、有機農業を開始。2000年にはフランス政府認証の.ABマーク“ (有機栽培農業)も獲得。小山さんはラディルージュ(赤大根)をはじめ、トマト、人参、さやえんどうなど、今季だけでも約20種類の農作物を栽培している。 「独自で研究と改良を重ねなければならない、というのが有機農業の最大の面白さですね。例えば、この地域では秋から春にかけて雨が多いので、ビニール栽培をメインにしています。そうすれば、堆肥を使用しなくても畑の肥沃さを持続できることを学びました。また、有機農法の技術は進化していて、野菜の周りにビニールを被せれば除草の手間も省けるんですよ。こうして、年々、コストを削減しながら、豊かな大地の恵みも享受できているのです」
アラン・デュカスグループを筆頭に国内大手レストランのほか、隣国からもバイヤーが訪れるという世界最大の総合卸し市場「RUNGIS」(ランジス)に、収穫した農作物すべてを出荷している小山さん。近年、メディアがビオに注目しだしたこともあって、ここ2〜3年は小山さんの農作物は即完売! 私が畑で食べさせてもらったなかでも、あまりの絶品さに感激したのが、旬の苺だ。「フランス産の苺は硬くて甘みが少ないんだけど、僕の苺は甘くて美味しいと、お客さんからも大好評なんですよ」。 市場やスーパーでは2〜3倍の値段が付けられているという、みずみずしい農作物が、小山さんの農家に行けば安価で購入できるという。 大いなる自然の恩恵を受けて、畑を肥沃なものにしてくれるモグラとも共生している小山さんは、最後にこう教えてくれた。 「土を大事にすれば食料危機などはありません。ぜひとも多くの方に有機農業を始めてほしいですね。有機農業がパリの食を支えてくれるのです」 
写真・文●金田美穂子 かねだ・みほこ●パリ在住のジャーナリスト。長年にわたってレアグルーブからヒップホップまで、音楽ライターとして活動してきたが、2006年に渡米。07年より拠点をパリに移し、現在はライフスタイル・ファッション誌をメインに執筆中。
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