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音楽
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Shing02は常に高い問題意識と実験精神を持った、日本には少ないタイプのヒップホップ・アーティストだ。その彼が6年の歳月を費やして制作したという、「緑黄色人種」「400」に次ぐサードアルバムが発売された。 現実世界をストレートに伝えることを使命とするラップという表現方法を用いながら、「歪曲」というタイトルがつけられている。収録されている楽曲も「銃口」「渇望」「再興」と、そのほとんどが漢字二文字。高度な言葉遊びの中に、地球と人間、痛みと喜び、苦しみと希望…… 様々なテーマと感情が込められている。 ヴェクトル・オメガという名義で彼自身がプロデュースするトラックからも、ブレイクビーツを基調としながら、ダブの奥行きとジャズの奔放さを持ち合わせ、曲によって様々な楽器やスタイルが聴き取れる。ギターやベース、キーボードといった楽器のみならず、薩摩琵琶の弾き語りや尺八、三線、ディジュリドゥー、スティールパン、そして多彩なヴォーカル陣と、参加したアーティストは30名にも及ぶ。 過度な分かりやすさ重視の風潮がエンターテインメントをつまらなくしている今、混沌とした時代を単純化することなく切り取った本作は、音と言葉の未踏の表現領域に挑んだ野心作。脳と感性を刺激してくれるこんな作品を、じっくりと聴き、考える時間をつくってみては? Shing02 「歪曲」 Mary Joy Recordings IDCM-1045 3000円 |