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Home 木楽舎の本 福岡伸一『動的平衡』

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ハカセ、生きてるって何ですか?

生命現象の核心を解くキーワード、
それは「動的平衡(dynamic equilibrium)」。

哲学する分子生物学者・福岡伸一が問う生命のなりたち、ふるまい、ありよう。

「生命現象とは何か」「人間は考える管である」「生命は時計仕掛け?」「ES細胞は再生医学の切り札か?」

ほか、10年におよぶ画期的論考をすべて収録した、福岡生命理論の決定版がついに刊行!

 

『動的平衡 〜生命はなぜそこに宿るのか〜』 
福岡伸一 著
2009年2月17日発売
四六判上製/256頁
定価1,600円(本体価格1,524円)

ソトコト購買部 amazon 楽天ブックス セブンアンドワイ
 


 

 

【福岡ハカセより】

私たちは、自分は自分だ、自分の身体は自分のものだ、という風に、確固たる自己の存在を信じているけれど、それは実は、思うほど確実なものではない。私たちの身体は、タンパク質、炭水化物、脂質、核酸などの分子で構成されている。しかし、それら分子はそこにずっととどまっているのでもなければ、固定されたものでもない。分子は絶え間なく動いている。間断なく分解と合成を繰り返している。休みなく出入りしている。実体としての物質はそこにはない。一年前の私と今日の私は分子的にいうと全くの別物である。そして現在もなお入れ替わり続けている。

 

つまり、私たちの身体は分子の「淀み」でしかない。それも、ほんの一瞬の。私たちの生命は、分子の流れの中にこそある。とまることなく流れつつ、あやういバランスの上にある。それが生命であり、そのあり方を言い表す言葉が、本書のタイトル、<動的平衡>である。本書は、最初から最後まで、<動的平衡>とは一体何なのか、どのように成り立ち、いかにふるまうかを考えた本である。

 

爪や皮膚、髪の毛であれば、絶えず置き換わっていることが実感できる。しかし私たちの全身の細胞のそのすべてで置き換わりが起きている。固い骨や歯のような部位でもその内部は動的平衡状態である。お腹の回りの脂肪も、たえず運び出され、たえず蓄えられている。分裂しないはずの脳細胞でもその中身やDNAは作り替えられる。

 

なぜそれほどまでに、あてどのない自転車操業のような営みを繰り返さねばならないのか。それは、絶え間なく壊すことしか、損なわれないようにする方法がないからである。生命は、そのようなありかたとふるまいかたを選びとった。それが動的平衡である。

 

生命は、必死に自転車をこいでいる。追手から逃れるために。追手は生命をとらえて、その秩序を壊そうとたくらむ。温かな血潮を冷まそうとする。循環を止めようとする。追手の名は、エントロピー増大の法則。輝けるものはいつか錆び、支柱や梁はいずれ朽ち果てる。いかなる情熱もやがては消え、整理整頓された机の上もすぐに本や書類が積みあがる。乱雑さ(エントロピー)が増える方向に時間は流れ、時間の流れは乱雑さが増える方向に進む。生命も、この宇宙の大原則から免れることはできない。しかし、エントロピー増大の法則に先回りして自らをあえて壊し、そして作り変えるという自転車操業を続ける限りにおいて、生物はその生命を維持することができる。私たちの身体において、たゆまず、けなげに自転車をこぎつづけているもの、それが動的平衡である。

 

あなたは本書を読み終わった後、季節の移ろいを感じ、高い空を見上げ、いろんな思いを巡らせることだろう。あるいは、たくさんの友達と会話することだろう。その時々に、こう言ってほしい。「ああそれはね、動的平衡だよ」と。

 

著者 福岡伸一

 

 

 

【目次】

プロローグ ——生命現象とは何か

第1章 脳にかけられた「バイアス」 ——人はなぜ「錯誤」するか

第2章 汝(なんじ)とは「汝の食べた物」である ——「消化」とは情報の解体

第3章 ダイエットの科学 ——分子生物学が示す「太らない食べ方」

第4章 その食品を食べますか? ——部分しか見ない者たちの危険

第5章 生命は時計仕掛けか? ——ES細胞の不思議

第6章 ヒトと病原体の戦い ——イタチごっこは終わらない

第7章 ミトコンドリア・ミステリー ——母系だけで継承されるエネルギー産出の源

第8章 生命は分子の「淀み」 ——シェーンハイマーは何を示唆したか

あとがき

目次の詳細はソトコト購買部へ 

 

 

 

【著者紹介】 



福岡伸一(ふくおか・しんいち)

1959年東京生まれ。京都大学卒。米国ロックフェラー大学およびハーバード大学医学部博士研究員、京都大学助教授を経て、青山学院大学理工学部教授。分子生物学専攻。専門分野で論文を発表するかたわら一般向け著作・翻訳も手がける。2006年、第1回科学ジャーナリスト賞受賞。著書に、『プリオン説はほんとうか?』(講談社ブルーバックス 講談社出版文化賞科学出版賞)、 『もう牛を食べても安心か』(文春新書)、『ロハスの思考』(木楽舍ソトコト新書)、『生命と食』(岩波ブックレット)、『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書 2007年サントリー学芸賞)。訳書に、ノーベル平和賞受賞者ワンガリ・マータイ氏の自伝『モッタイナイで地球は緑になる』、テオドル・ベスター『築地』(ともに木楽舍)など。近著に『できそこないの男たち』(光文社新書)。 

 

福岡伸一研究室ホームページ

オフィシャルブログ「福岡ハカセのささやかな言葉」 

 

 

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