QUESTION
拝啓
ワイル先生
今回は、糖尿病に関してお聞かせください。最近の、日本における糖尿病が強く疑われる人と糖尿病の可能性のある人は、2200万人を超えていると言われています。この数は、日本人の約5人に1人に当たります。私自身も、将来、糖尿病になってしまうのではと心配しております。
糖尿病は研究が進み、インスリン分泌障害やインスリン抵抗性のメカニズムが解明されつつあります。最近の治療の傾向は、糖尿病が軽い場合、生活習慣改善と同時にビグアナイド薬(塩酸メトホルミン)を開始し、糖尿病の治療効果不十分な時、スルホニル尿素(SU)薬(グリベンクラミド、グリクラジド)やインスリン療法を追加するというもののようです。新しく登場しつつある薬剤では、インクレチン製剤、GLP-1受容体作動薬、DPP(dipeptidyl peptidase)-4阻害剤などがあり、将来の糖尿病治療に期待がもたれています。このように治療が進歩し、かつ政府や企業や医学会などが頑張っても、糖尿病は増加しつつあります。
独自の治療法が多く、「白米ならいくら多く食べてもよい」とか、「温泉に入り、汗をかきなさい」とか他分野の専門家から言われている人がいたり、はやりの低GI(グリセミック・インデックス)食品にこだわる人もいます。でも、やはり運動、食事、薬物、ストレス解消など総合的に行うのが重要な気がします。糖尿病及び、その予備軍によいアドバイスをいただければ幸甚です。
草々
ANSWER
関谷先生
糖尿病は、体がインスリンをつくり出せなかったり、うまく活用できない時に発症します。インスリンとは、砂糖やでんぷんなどの食べ物を日常で必要なエネルギーに変換するために必要なホルモンです。ご存じのように、糖尿病には2種類あります。「1型糖尿病」は、若年性糖尿病ともいわれ、自己免疫疾患であり、アメリカでは糖尿病の5~10%を占めます。「2型糖尿病」は、体がうまくインスリンを活用できなかったり、十分につくり出せないことからくる代謝異常です。糖尿病全体の90~95%を占めています。このタイプの糖尿病は、アメリカで蔓延の域に達しています。そして国立衛生研究所では、約600万人のアメリカ人が糖尿病に罹患していることを知らないと見積もっています。
糖尿病が増えているのは、肥満の蔓延や、あまり体を動かさないライフスタイル、高齢化などによります。場合によっては、2型の発症に遺伝が一定の役割を果たしていることがあります。けれども全般的には、肥満と運動不足が主な原因とされています。そのため、下記のライフスタイルを実践することにより、糖尿病のリスクを減らすことができます。
●太り過ぎであれば、体重を減らしましょう。過剰な体脂肪は、体中の細胞にインスリン抵抗を引き起こします。
●血糖値を正常な範囲に保つため、少量の食べ物を回数を増やして食べましょう。大食すると、血流にブドウ糖とインスリンがあふれる可能性があります。自分に一番合う食べ方を見つけるため、試行錯誤してください。
●加工されたでんぷんや砂糖は最小限におさえてください。GI値(グリセミック指数)の低い炭水化物の食品を選んでください。GI値というのは、体が炭水化物をブドウ糖にどれだけ早く変え、インスリン反応を起こすかを示したものです。GI値は、次のサイトでリストを見ることができます。
http://www.diabetesdigest.com(英語)
より新しい考え方としては、GL値(糖負荷指数、グリセミック・ロード)というものがあります。GI値に、摂取した炭水化物の量を掛けたものです。この値は、食べ物の選択にもっと直接に関わってきます。GL値が低い食べ物の例としては、サツマイモ、カボチャ、豆などがあります。
●飽和脂肪やトランス脂肪酸の量を最小限に抑えましょう。代わりに、オリーブオイルやナッツオイルのような単不飽和油を適量、使用しましょう。
●週に数回は魚を食べましょう。とくにオメガ3脂肪酸を多く含む寒流の天然魚(鮭、イワシなど)がお薦めです。もしくは、オメガ3のサプリメントを摂りましょう。
●非でんぷん野菜をたくさん食べましょう。たとえばキュウリ、ピーマン、色の濃い葉物、ズッキーニ、ナス、スクワッシュ、アスパラガス、ブロッコリー、キャベツ、芽キャベツ、豆、ラディッシュ、ホウレンソウ。
●運動量を増やしましょう。有酸素運動は、筋肉細胞におけるインスリン抵抗を減らします。それにより、もっと多くのブドウ糖が細胞の中に入ることができます。毎日、30分間運動することを目指しましょう。運動は、糖尿病をコントロールする上で、もっとも重要です。あらゆる機会をとらえて、運動量を増やしましょう。歩くのもいいことです。一週間に5回、だんだん速度を上げ、きびきびと45分間歩くようにしましょう。他にもできることがあれば、さらによいでしょう。
残念ながら、糖尿病は発見が遅れることがよくあります。症状の多くが、たいしたことないように思えるからです。けれども早期発見により、生命に危険を及ぼす可能性のある合併症のリスクを減らすことができます。そのため、患者も担当医も、次の症状に気をつける必要があります。
●頻尿
●喉の極端な渇き
●過度な空腹感
●普通ではない体重の減少
●疲労の増加
●怒りっぽさ
●視界のかすみ
1型も2型も、さまざまな重い病気や合併症を発症するリスクをはらんでいます。 たとえば、糖尿病性網膜症(網膜の小さな血球が損傷すること)は、アメリカにおいて、失明の主原因となっています。小さな神経の損傷は、体中の神経に影響を与え、痛みや麻痺を起こします。腎臓障害も起きます。糖尿病はまた、心臓病や高血圧(約2倍の罹患率)、脳卒中、脳血管疾患(致死率は、約3~5倍)、末梢血管障害などのリスクを高めます。
前述したように食事を変えることに加え、糖尿病の方は、自分に合った食事法を医者や栄養士と工夫することをお勧めします。インスリン生成や血糖値、食べ物の種類といったものが、糖尿病のコントロールに大きな役割を果たすため、糖尿病用のヘルシーな食事に従うことが重要です。とくに次のように食事を変えることをお薦めします。
●毎日、マグネシウムの豊富な食品を摂りましょう。ホウレンソウ、豆腐、アーモンド、ブロッコリー、レンズ豆、カボチャの種、ヒマワリの種などは、よいマグネシウム源です。
また、糖尿病患者の方には、下記のサプリメントをお薦めします。
●クロム:この微量元素は、インスリンの働きを助け、ブドウ糖を細胞に取り込みやすくし、血糖値の安定に役立ちます。毎日、GTFクロム1000mcgを上限として、摂りましょう。
●アルファリボ酸:抗酸化作用をもつアルファリボ酸は、ブドウ糖を細胞に取り入れやすくし、糖とタンパク質の異常な結合による機能の阻害を防ぐ働きがあります。また、眼の健康を維持する助けにもなります。毎日、100mgから始めましょう。
●マグネシウム:マグネシウムを補給することは、健康なインスリン生産を促進します(マグネシウム・グリシネートをお勧めします。他のマグネシウムと比べ、下剤作用が少ないのです。毎日、400mgを摂りましょう)。
●コエンザイム Q10:パワフルな抗酸化作用をもち、健康な心臓を維持するのに役立つでしょう。一番量の多い食事の際に、ソフトジェルタイプのものを60~100mg摂りましょう。
次の植物も有益です。標準化エキストラクトの形で使ってみて下さい。用量を守るようにしましょう。
●ゴーヤ ●ギムネマ ●ブルーベリー ●ウチワサボテン
どんな事情であれ、処方薬を飲んでいるのであれば、担当医にサプリメントのことを必ず相談すること。糖分の代謝が改善するにつれ、投薬の量を調節する必要があるかもしれません。
糖尿病のリスクを抱えているのであれば、これまでお勧めしてきたことにより、リスクを減らすことができます。すでに糖尿病との診断を受けているのであれば、前述した生活習慣により、病気をよりよくコントロールできるでしょう。薬を必要としない助けとなり、合併症のリスクを減らしてくれます。
草々






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