ソトコト ソーシャル&エコ・マガジン

Radio SOTOKOTO

NAOITO
旅人が編んだ、ノマドロジー・サウンド。 photographs by Hei  text by Mayumi Kaya Okada

 お茶の間で流れる歌謡曲から、世界に息づく民族音楽まで。KINGDOM☆AFROCKSのNAOITOがソロアルバムを発表した。そのボーダレスなサウンドは、旅の遍歴。どうして、彼は旅を続けるのだろうか。

 日本にはワールドミュージックの巨大なマーケットがある。NAOITOもその幸せな環境を享受して、世界中の音楽をボーダレスに聴いてきた。「僕の場合、旅はその国の音楽に恋をするところから始まります」。音楽への思いが、彼を旅へと駆り立てた。

 アメリカ、ジャマイカ、ネパール、ブラジル、キューバ、インドネシア……。その土地の音楽に導かれて、さまざまな国や地域へと旅をしてきた。有名、無名のミュージシャンが奏でる個性的な音楽や、寺院で演奏される宗教音楽。魅力ある音楽を吸収しては、次の目的地へと向かった。

 大きな転機となったのはロサンゼルス。ナイジェリア人のルームメイトと いっしょに太鼓を叩いたとき。
「違う言語で育っている人間同士が、太鼓を叩くとぐっと近づけた。言葉で消化しきれなかったものが解消されたというか……。そのマジックに魅せられたんです」

 語学を勉強して、自分の思いを伝えられるようになってはいたが、音楽が言葉の壁を軽々と超えてしまったときの衝撃たるやすごかった。音楽をやりたい、歌 を歌いたい、抑えられない衝動を自覚したのだという。

 ファーストアルバム「雑食familia」には、そんな旅=人生で得た思いが詰ま っている。各地で耳にした雑多な音やリズムはNAOI TOのなかで消化されて、しなやかで強い意志を持った歌として、まっすぐに奏でられている。その根底には「音楽で世界を変えたい」という想いがある。だからこそ、より強い。
「少年が自分の夢を描くとき、世界を変えるくらいのことをしたいと思うでしょう。それと同じ。自分は音楽に救われてきたので、それをあげられる側になりたい。僕は旅から、音楽の根底には、“祈り”があることを学びました。今の社会は、何かおかしいと思ってもその根源が見えづらい。だからこそ、信じられるものを僕らは日々求めている。信じられるものがある人は強い。大切なことは、意外とシンプルで当たり前。聴いた人がそんな気持ちになってくれるのが一番いいですね」

今月のpodcast collectionでは、未発表楽曲も収録された『ソトコト』2010年4月号付録CDをダイジェスト版をお届けします。お聴きのがしなく!

photographs by Hei text by Mayumi Kaya Okada

<収録トラック>

  • ミコラ~Whispers In The Wind (Hifana Juicy Mix) ~Instrumental / NAOITO
NAOITO

東京生まれ。19歳で渡米、その後ジャマイカ、ネパール、ブラジル、キューバを旅する生涯旅人。2006年には、日本発アフロビートバンドKINGDOM★AFROCKSを総勢9名で結成。2010年3月、初めてのソロアルバム「雑食familia」を発表。

http://www.myspace.com/naoito

CD情報
ザ・マリー・オネッツ「アイランズ」

NAOITO「雑食familia」
felicity PCD-18616 2500円

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