ソトコト ソーシャル&エコ・マガジン

50人による50通りのマイチェア

バルテュスの椅子

イスに描かれた少女とイス

「木曜日が4回ある週」などの作品で知られる画家・バルテュスにオマージュを捧げるように、イスに座っている少女をイスそのものに描く。新しい発想というのはいつも轍を外したところにこそ生まれる、というメッセージにも受け取れる。
クリエーターからのメッセージ

20世紀のヨーロッパに、バルテュスという、きみょうな絵を描く画家がいて
その人は、いすの上できみょうなポーズをとる女の子の絵をたくさん描きました。
きみょうなバルテュスの絵、いつか見てみてください。

前田 ひさえ
イラストレーター

まえだ・ひさえ●雑誌や、個展などで作品を発表している。

おトイレ

流れるより流されたい

子どもとイス、というところからトイレに繋がってしまう思考回路がスゴイ。「コレ、本当によくできているんですよ。ウォシュレットになっていたり、背もたれに流し取っ手がついていたり」(ユトレヒト・江口さん)。
クリエーターからのメッセージ

僕が1人でトイレに行けるようになったのは、たぶん4歳くらいだったと思います。
トイレの練習ができるイスがあれば、もう少し早く1人でトイレに行けたかもしれない。
このイスを作りながら便座を開け閉めして腰掛けるのは自分でも楽しく、子ども達もこのイスで楽しく練習してほしいと思います。

noritake
イラストレーター

のりたけ●1978年生まれ。セツ・モードセミナー卒。展覧会、壁画制作、広告、エディトリアルを中心に活動を行う。
http://www.noritake.org/

大リーグボール1号

とてつもない変化球。組み立てる前のイスの箱に滑車をつけたもの。箱に描かれたイスのイラストがクール。
クリエーターからのメッセージ

動くようにしました。

HIMAA
イラストレーター

ひま●1976年神戸生まれ。02年より国内外で個展、グループ展に参加。

すわっていす

レイヤードの魔術師

見た目よりも遥かに手が込んでいる。「nakabanさんの作品は素朴だけれど実はハイテクで、PCで取り込んで何層にもレイヤーをかけて処理していきます。このイスも、そうした作品のように多重のレイヤーが掛けられた作品です」(ユトレヒト・江口さん)。
クリエーターからのメッセージ

いすをくみたて、スプレーでプシューッ。それからニスをペタペタ塗ったり、絵の具をポタポタしてみました。それからおしまいにいろんな顔を描いてみました。すわってみてね。

nakaban
イラストレーター

なかばん●絵を描いたりアニメを作ったり絵本を作ったりする人。

木のイスとお花のイス

一家に2脚の「夫婦イス」

「奥さんは人と違ったキャラクターを表現するのが得意で、旦那さんは人と違った色使いが得意。そんな夫婦が、それぞれの色に染めた感じです」(ユトレヒト・江口さん)。よく見るとそれぞれに違ったキャラが描かれてます。
クリエーターからのメッセージ

じぶんの好きな色ってなんだっけ?じぶんのすきな形ってどんなだっけ?
そのへんだけちょいと考えて、あとはなんにも考えずに直感的に。
お互い「いいね~」とほめ合いながら交互に、きゅっきゅっと、ペタペタと、楽しく描きました。

Quzmo
イラストレーター

くずも●下平晃道と多田玲子の夫婦による楽しいお絵描きユニット。

隣同士/side by side

寄り添い合って生きています

写真ではイラストのように見えるが、実は巻かれた布に美しい刺繍が縫い込まれている。「2本の木が寄り添って1本になるのが彼女のモチーフ」(ユトレヒト・江口さん)。イスが海で、そこに生えた架空の木を描いている。
クリエーターからのメッセージ

イスを青い布で包んでみました。
黄色い刺繍の2本の樹は絶妙な距離感でバランスを保っています。
深い深い海の底。
ぽっかり光る大きな樹。
そんなイメージです。

小木曽 瑞枝
アーティスト

おぎそ・みずえ●美術家。風景の観察を通して作品を制作、国内外で発表。

きょうという日のためのイス

記憶をとどめるための装置

座る人が自分の日記を綴っていくことで完成するイス。「記憶をとどめる装置としてのイス。このイスがずっと使い続けられるものだから、そういうことができる」(ユトレヒト・江口さん)。特別なイスにできるかどうかは、座る人次第だ。
クリエーターからのメッセージ

このイスには3つの日記を書きうつしてあります。
ひとつはアンネ・フランクという女の子が14歳のときに書いた日記。
もうひとつはその子とおなじ年にうまれた私のお父さんが17歳だったときに書いた日記。
それから私が去年に書いた日記です。
きょうはなんでもない日かもしれないけれど、私にとっては特別な一日です。

あなたはこの日、何をしていた?
あなたの日記を、一年ごとにここに書きくわえて使ってみてくださいね。

小林 エリカ
作家
写真:野川かさね

こばやし・えりか●著書に「この気持ち いったい何語だったらつうじるの?」など。

CHIQUITA

奥ゆかしいセンス

ただのダンボール箱をコラージュしただけだが、そのダンボール選び、コラージュの貼り合わせ方、すべてに眼力とセンスを感じずにはいられない。「落ち葉や石といった、すでに役目を終えてしまったものを再生させるのが上手な方です。決して自分を出さないで、そのへんのものを使ってまたそのへんのものをつくる」(ユトレヒト・江口さん)。奥ゆかしさが持ち味だ。
クリエーターからのメッセージ

こどもイスとダンボール箱。形は違うけれど、どちらも古紙がリサイクルされてできた、兄弟のようなものです。その二つを合わせることでこのイスはできました。ダンボール箱は近所のスーパーマーケットから。バナナの箱の模様を貼り合わせていくと、なんだかトロピカルなイスができました。他にも野菜のイスやお菓子のイスなどなど、箱の種類だけつくれそうです。

古賀 充
造形作家

こが・みつる●自然物や人工物に人間の手を加えることで作品を制作。

みると

あたたかみを探してください

タンポポだったり植木に飾られた玄関だったり小さな枝葉だったり、表にも裏にもいろいろなものが潜んでいる。なんとなく宝探しの気分。「玄関の先に人の気配が感じられたり、伴さんの作品にはあたたかみがあります」(ユトレヒト・ユトレヒト・江口さん)
クリエーターからのメッセージ

よーくみると、いろんなところに、いろんなひとや、はなや、たからものがあります。たいせつにすればするほど、どんどんすきになります。おもいやりもうまれます。

伴 美里
画家

ばん・みさと●1977年金沢生まれ。白昼夢のような作品をとおして、自然と人間の距離感、自然と現代生活のなかでのバランス感覚を表現している。

朝の椅子

どこかエロスを感じます

背もたれの表に太陽が、裏に月が描かれている。「子どもというテーマには少しふさわしくないんですけど、彼女の作品にどこか通底しているのはエロスなんですよ。このイスにも、そこはかとないエロスを感じます」(ユトレヒト・江口さん)。
クリエーターからのメッセージ

太陽のかたち。月のかたち。草のかたちを書きました。
これは古い漢字のかたちです。
そして、太陽と月の書かれた背もたれを動かすと、草の中に太陽と月が沈んだり上ったりします。

朝という字は、よくみるとふたつの十(草)と日と月で出来ていることがわかります。
これは朝という時が、草の間から日が顔を出し、月がまだ空に残っている景色として表されているのです。

太陽と月と草でできた、いろんな朝の中に座ってみてください。

華雪
書家

かせつ●1975年生まれ。92年より個展を中心に活動を続ける。

ゴミ、捨てんなよ!

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