ソトコト ソーシャル&エコ・マガジン

福岡伸一の生命浮遊

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vol.78 プラスミッド

ちっぽけな大腸菌。体長は数ミクロンしかない。もちろん肉眼では見えない。ふつうの顕微鏡(それはだいたい最高倍率400倍くらいだけれど)でも、大腸菌をはっきり見ることはできない。すきとおった楕円形のつぶつぶにしか見えない。大腸菌をきちんと観察するためには特別な染料で色づけしなければならない。

vol.77 スピードが大腸菌のすべて

近年、DNA解析の方法が進んで、一度に多数のゲノムを高速に解析できるようになった。そしてDNA情報のデータベースも格段に充実してきた。人間の消化管の内容物を採取してそのDNAを解析すると、そこにはヒトの消化管上皮細胞のDNAはもちろん、食べた食物に含まれていた細胞のDNAがまじりあって存在することになる。そして多種多様な腸内細菌のDNAも混在している。

vol.76 腸内細菌の力

大腸菌は、ちっぽけな単細胞生物である。人間の細胞とは複雑さにおいて大きな隔たりがある。その限りにおいては、しょせん大腸菌、ということができる。しかしその生命力に関していえば、人間の細胞よりもずっと優れている側面がある。つまり、されど大腸菌、である。大腸菌について知るためには、まず私たち人間とこの小さな生命体との関係について語る必要がある。

vol.75 タンパク質からDNAへ

細胞の中で、あるいは細胞と細胞のあいだで、実際に生命活動を行っている分子的な実体は、タンパク質である。血糖値をコントロールするホルモンであるインシュリンも、外敵と闘う抗体も、代謝反応をつかさどる酵素群も、あるいは細胞のクッションとして働くコラーゲンも、すべて、それぞれ役割と形の異なるタンパク質である。

vol.74 iPad

いよいよ日本でも米アップル社の多機能携帯端末iPadが販売された。どのように支持され、どれくらいの勢いで普及するだろう。そしてこれまで紙が主体だった書籍、雑誌、新聞などの活字文化にどれほどのインパクトを与えるだろうか。実際、さわってみるとiPadがとてもタンジブル(tangible)なことがわかる。

vol.73 生きざまの多様性

上野にある国立科学博物館に出かけた。現在開催中の大哺乳類展のナイトツアーに参加するためである。私たちヒトはもちろん哺乳類だが、もっとも早く地球上に現れた哺乳類は小さなネズミのような動物だったと推定されている。いまから2億年以上も前のこと。彼らは、恐竜が我がもの顔に跋扈していたジュラ紀、白亜紀にも生きのび、恐竜に見つからないよう森の木陰に身を潜め、できるだけ目立たないよう夜活動していた。

vol.72 ソメイヨシノ

桜の季節である。一斉に咲いた花は散り、まもなく青い若葉に覆われる。よく見ると街路樹の桜にも小さな赤いサクランボが実っていることに気づく。子どもの頃、私はこの堅くて小さなサクランボをたくさん集めた。そして土に植え、水をやり、芽が出るのを待った。しかしどんなに待っても桜の芽が出ることはなかった。その理由を知ったのはずっとあとになってからのことである。

vol.71 建築学と生物学のあいだ

建築家・隈研吾さんとお会いしたり、東大・建築学科の院生が主宰するセミナーに参加したりと、このところアーキテクト方面に接点がある。わたしは生命科学を研究している者だから、もちろん建築学のことは何もわかっていない。ただ建築家には昔からあこがれがあるし、面白い建物を見ると不思議な吸引力を感じる。

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