ソトコト ソーシャル&エコ・マガジン

福岡伸一の生命浮遊

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vol.115 ゴルジとカハール

細胞内小器官ゴルジ体の発見者として、その名を科学史に残すカミッロ・ゴルジは19世紀イタリアの人。生の細胞をそのまま顕微鏡で観察しようとするとほとんど透明なため、どこからどこまでがひとつの細胞なのか、境界が見えない。また、細胞の中身もいったいどうなっているかよくわからない。

vol.114 ゴルジ体の謎

ゴルジ体、という言葉をどこかで聞いたことはあるだろうか。たとえば高校の生物学の時間。細胞の中にはミトコンドリア、植物なら葉緑体、そしてゴルジ体などの細胞内小器官がある。ミトコンドリアはエネルギー生産、葉緑体は光合成、そしてゴルジ体は分泌に関わっている。

vol.113 パラーディとトポロジーの科学

生物学は、ある意味では建築学と似ているかもしれない。私は何人かの建築家と話したことがあるが、彼らの持っている思考方法は、私たち生物学者が持っている思考方法と類似点があるのではないかと感じることがある。それはトポロジー的な思考ということである。

vol.112 ロックフェラー再訪

今年の4月からしばし日本を離れ、米国ニューヨーク市に滞在している。サバティカル(研究休暇)制度を利用して、当地にあるロックフェラー大学に客員研究員として留学しているのだ。ロックフェラー大学は1901年創立。それまでドイツに先導権を握られていた基礎医学の研究のイニシアティブを米国に引き寄せるため、財閥・ロックフェラーの肝いりで設立された。

vol.111 ヒトは男に生まれるのではない、男になるのだ

ネッティ・マリア・スティーブンズによる性染色体の発見は2つの大きな意味を持っていた。ひとつは、ヒトを含めて、多くの生物において、女になるか男になるかはあらかじめ遺伝子によって決定づけられている、ということである。そして、もうひとつは─こちらのほうがより重要だと私には思えるが─生物的には女性が基本形であり、男性はそこから横道にそれて、あとからつくられる、ということだった。

vol.110 スティーブンズ伝

個体が雄になるか雌になるかは、多くの生物で遺伝的に決められている。細胞の核の内部に格納されている染色体が遺伝情報を担っている。顕微鏡で見たとき、色素に染まるのでこの名がある。染色体は複数のユニットから構成されている。その中には性を決定する染色体(性染色体)があり、雌と雄ではその組み合わせが異なっている。

vol.109 Y染色体

たとえば膵臓の組織を顕微鏡で覗くと花びら状に整列した細胞が見える。細胞の内部で一番目立つのは核と呼ばれる球形の区画だ。普通の顕微鏡、つまりレーウェンフックが作り出した顕微鏡に始まる光学顕微鏡では、残念ながら核の中に何があるかまでは見えない。核の中にはDNAが折り畳まれて格納されているのだが、顕微鏡で覗いただけでは、核の中は明るく白っぽく見えるだけである。

vol.108 カメラ・オブスクーラ

ヨハネス・フェルメールとアントニ・レーウェンフック。画家とアマチュア研究家。芸術家と科学者といってもよい。いずれもオランダ・デルフトの人。同い年、1632年生まれ。芸術の問いと科学の問いは本質的には同じところに行き着く。生命とは何か。世界の成り立ちはどのようなものか。

vol.107 おたくの旅路 ~フェルメールとの最初の出会い~

あらためて考えてみると、私は、たんに自分の好きなことをずっと好きであり続けただけに過ぎない。それは内向的な子どものおたく的な探究心というようなものでしかない。もの心ついたころには虫に夢中になっていた。図鑑で見た、青いカミキリムシを求めて野山をさまよった。

vol.106 フェルメール・センターに込めた想い

2012年初め、私は銀座にある美術館を開いた。フェルメール・センター銀座。その場所で「フェルメール 光の王国展」と題した展覧会を開いた。17世紀の天才画家ヨハネス・フェルメール。現存する彼の全作品37点を一堂に集め、彼が描いた順番に並べたのだ。といってももちろん本物ではない。

ゴミ、捨てんなよ!

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