ソトコト ソーシャル&エコ・マガジン

福岡伸一の生命浮遊

KEYWORDSで絞り込む

vol.125 クワシオコアと腸内細菌

アフリカの飢餓地域で見いだされた栄養失調症状クワシオコア。手足ががりがりにやせているにもかかわらず、お腹がぽっこりと膨れてくる。タンパク質が欠乏しているにもかかわらず、炭水化物の摂取が続くと体内の動的平衡が乱れ、肝臓が勘違いして脂肪を蓄えてしまうのだ。

vol.124 クワシオコア

私は、膵臓や消化管の生理学を研究してきたので、人間の栄養学についてもいろいろと学んだ。その中でクワシオコア(Kwashiorkor、クワシオルコルと表記されている場合もある)という名の病気を知った。この不思議な名称は、アフリア・ガーナ沿岸部の土地の言葉で、「上の子ども、下の子ども」という意味だという。

vol.123 お母さんからのプレゼント

私たちのもっとも身近な隣人、腸内細菌について話を続けてみたい。お母さんのお腹の中にいる時期の胎児の消化管内はクリーンで、腸内細菌はまだ一匹も棲みついていない。生まれたあと徐々に細菌がやってきて町内ならぬ“腸内”にコロニーをつくっていく。細菌はどこからくるのだろうか。

vol.122 腸内細菌をさぐる

世界的な科学論文誌『サイエンス』は毎年末、その年の10大科学ニュースを発表する。2013年の科学ニュースとして、ガンの免疫治療、遺伝子工学の新技術CRISPR、脳内の可視化、再生医療、コンピューターによるワクチン設計など、さまざまな新機軸が並んでいた。

vol.121 微生物の狩人

私の愛読書のひとつに『微生物の狩人』(ポール・ド・クライフ著、岩波文庫)という古い本がある。ド・クライフは奇しくも今、わたしが留学している米国・ロックフェラー大学で研究をしていた。その後、研究者から作家に転じた人である。どのような経緯で自分のキャリアを変えたのか。

vol.120 STAP細胞への逆風

優れた可能性をもった多分化能幹細胞をごく簡単な方法で作り得た──全世界が瞠目したSTAP細胞の発見をめぐる状況がにわかに揺らぎ始めた。そもそも日本のメディアが連日報道したのは、発見者の小保方晴子博士が若い理系女子だったからだが、なんといっても最も権威ある科学専門誌ネイチャーに2つの関連論文が同時に掲載されたこと──

vol.119 STAP細胞 その1

科学上の発見ということを超えて、社会的な流行現象にまでなっているSTAP細胞。ここまでメディアが過熱して報道し、注目の的になっているのは、なんといっても、STAP細胞の発見者・小保方晴子さんが、白衣のかわりに割烹着をまとい、研究室の壁をパステル色に染めているという、まだ駆け出しの女性研究者だったことによる。

vol.118 記憶は遺伝するか2

ある特別な匂い(この実験の場合はサクラの花びらのよい香り)がすると、しばらくして床にびりっと電流が流れる。こんな仕掛けでマウスを何度か訓練すると、すぐに2つの事象の関連性を学習して、マウスはサクラの香りがしただけで、電気ショックにそなえて身をすくめる動作をするようになる。

vol.117 記憶は遺伝するか1

アメリカ・エモリー大学のブライアン・ディアスとケリー・レスラーの研究チームは次のような実験を行い、2013年12月1日に論文を発表した。実験用のマウスに対して、まずアセトフェノンの匂いをかがせる。アセトフェノンはサクラの花びらの香り。マウスにとっては普通の飼育環境では体験することのない新しい匂いである。

vol.116 カハール・記憶・イシグロ

1906年、ノーベル賞委員会は、神経組織の解剖学的研究に寄与したことに対して、ゴルジとカハールにノーベル医学賞を同時に授与した。この分野の立役者ゴルジにとってノーベル賞の受賞はもちろんある意味で当然ではあったが、あとからこの分野に入ってきた──ゴルジからみると文字どおりの新参者だった──

ゴミ、捨てんなよ!

Copyright © KIRAKUSHA, Inc. ALL rights reserved.