ソトコト ソーシャル&エコ・マガジン

福岡伸一の生命浮遊

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vol.127 フレミングの発見
──コンタミ──

微生物学の実験にはコツがあり、上手・下手がある。微生物を育てるには普通、シャーレ(ペトリ皿)という器具を使う。浅くて丸いかたちの容器でガラス製。使う前に高温のお釜に入れて加熱殺菌し、そこに煮沸した寒天培地を流し込み、冷えて固まったらその表面に研究対象となる細菌を植え付け、その成育を観察する。

vol.126 抗生物質の発見1

抗生物質の発見は、近代医学史上、最大の革命のひとつに数えられる。ペニシリン、ストレプトマイシン、カナマイシンなどの抗生物質は、人類にとって強大な脅威だった感染症──コレラ、赤痢、破傷風、結核、食中毒など──に卓効を示した。医者たちも患者たちもこの夢の新薬に驚喜した。

vol.125 クワシオコアと腸内細菌

アフリカの飢餓地域で見いだされた栄養失調症状クワシオコア。手足ががりがりにやせているにもかかわらず、お腹がぽっこりと膨れてくる。タンパク質が欠乏しているにもかかわらず、炭水化物の摂取が続くと体内の動的平衡が乱れ、肝臓が勘違いして脂肪を蓄えてしまうのだ。

vol.124 クワシオコア

私は、膵臓や消化管の生理学を研究してきたので、人間の栄養学についてもいろいろと学んだ。その中でクワシオコア(Kwashiorkor、クワシオルコルと表記されている場合もある)という名の病気を知った。この不思議な名称は、アフリア・ガーナ沿岸部の土地の言葉で、「上の子ども、下の子ども」という意味だという。

vol.123 お母さんからのプレゼント

私たちのもっとも身近な隣人、腸内細菌について話を続けてみたい。お母さんのお腹の中にいる時期の胎児の消化管内はクリーンで、腸内細菌はまだ一匹も棲みついていない。生まれたあと徐々に細菌がやってきて町内ならぬ“腸内”にコロニーをつくっていく。細菌はどこからくるのだろうか。

vol.122 腸内細菌をさぐる

世界的な科学論文誌『サイエンス』は毎年末、その年の10大科学ニュースを発表する。2013年の科学ニュースとして、ガンの免疫治療、遺伝子工学の新技術CRISPR、脳内の可視化、再生医療、コンピューターによるワクチン設計など、さまざまな新機軸が並んでいた。

vol.121 微生物の狩人

私の愛読書のひとつに『微生物の狩人』(ポール・ド・クライフ著、岩波文庫)という古い本がある。ド・クライフは奇しくも今、わたしが留学している米国・ロックフェラー大学で研究をしていた。その後、研究者から作家に転じた人である。どのような経緯で自分のキャリアを変えたのか。

vol.120 STAP細胞への逆風

優れた可能性をもった多分化能幹細胞をごく簡単な方法で作り得た──全世界が瞠目したSTAP細胞の発見をめぐる状況がにわかに揺らぎ始めた。そもそも日本のメディアが連日報道したのは、発見者の小保方晴子博士が若い理系女子だったからだが、なんといっても最も権威ある科学専門誌ネイチャーに2つの関連論文が同時に掲載されたこと──

vol.119 STAP細胞 その1

科学上の発見ということを超えて、社会的な流行現象にまでなっているSTAP細胞。ここまでメディアが過熱して報道し、注目の的になっているのは、なんといっても、STAP細胞の発見者・小保方晴子さんが、白衣のかわりに割烹着をまとい、研究室の壁をパステル色に染めているという、まだ駆け出しの女性研究者だったことによる。

vol.118 記憶は遺伝するか2

ある特別な匂い(この実験の場合はサクラの花びらのよい香り)がすると、しばらくして床にびりっと電流が流れる。こんな仕掛けでマウスを何度か訓練すると、すぐに2つの事象の関連性を学習して、マウスはサクラの香りがしただけで、電気ショックにそなえて身をすくめる動作をするようになる。

ゴミ、捨てんなよ!

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