ソトコト ソーシャル&エコ・マガジン

福岡伸一の生命浮遊

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vol.157 遺伝子配列解読法

AGGCCTGGCTCGAATGACTT……。このようなA、T、C、Gの4文字からなる文字列が遺伝暗号の配列である。A、T、C、Gは、それぞれアデニン、チミン、シトシン、グアニンと名づけられたヌクレオチドという化学物質で、互いに似ているが少しずつ構造が違う。これが化学結合を介して、数珠玉状に連結しているのが、DNAである。

vol.156 GP2遺伝子を取り出す

直径10センチほどの円形のナイロンフィルターが何枚も目の前に並んでいる。一見、ただの白い薄切りの円盤。まさに千枚漬けだ。肉眼では見えないが、ここにはミクロなレベルで、重要な現象が積み重なっている。まずナイロンフィルターの表面には点々と、ライブラリーのcDNAが固定化されている。

vol.155 探査針はGPS

さて、いよいよ遺伝子の隠れ家を突き止めるときがきた。少し前の回に書いた千枚漬けの話を思い出していただけるだろうか。直径10センチほどの白いナイロン製の薄い円盤のことを千枚漬けに例えた。わたしたちはこの円盤のことを通常、フィルター、もしくはメンブレンと呼んでいる。

vol.154 アイソトープのラベル

前回は「宝探し」の準備の手順を説明した。今回はその続き。DNAライブラリーに由来するコロニーが固定された“千枚漬け”(円形のナイロンフィルター)を入れたジップロック・パックに、宝物を探査するためのプローブ(短い一本鎖DNA)を混ぜ、パックの入り口をシールして密封する。

vol.153 ナイロンフィルターを
漬け込む

それは一見、千枚漬けの作業工程に似ている。私は京都で学生生活を送ったので、その様子を見たことがあったのだ。京都名産の京野菜である聖護院かぶの皮をむき、薄くそぎ切りにする。直径10センチあまり。それは円形のナイロンフィルターにそっくりだ。それを樽の中に一枚一枚ていねいに並べて敷き込んでいく。

vol.152 コロニーを転写した
フィルターを作る

これまでの回で、細胞で発現している遺伝子群、つまりメッセンジャーRNA(mRNA)をそのままDNAに写し取る方法、すなわちcDNAライブラリーを作る原理について細かいことをいろいろ説明してきた。ここから先は、いかにしてそのライブラリー(図書館)から、目的の書物を探し出すかについて考えてみよう。

vol.151 cDNAライブラリー

細胞から全部のmRNAを抽出し、逆転写酵素を使って、DNAを作り、そこからcDNAを合成すると、もともと細胞内にあったすべての種類のmRNAは、まるごと安定したcDNAに写し取られることになる。また、mRNAの量的な分布も、そのままcDNAに反映されることになる。

vol.150 mRNAからcDNAへ

DNAはデオキシリボ核酸、RNAはリボ核酸で、どちらも非常に似通った化学構造なのだが、ほんのひとつ、デオキシ構造(水酸基-OHがない)の差異だけで、物質としての安定性が格段に違ってくる。DNAは化学的に安定的で、RNAは化学的に不安定な(分解を受けやすい)物質なのだ。

ゴミ、捨てんなよ!

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