vol.75 タンパク質からDNAへ
細胞の中で、あるいは細胞と細胞のあいだで、実際に生命活動を行っている分子的な実体は、タンパク質である。血糖値をコントロールするホルモンであるインシュリンも、外敵と闘う抗体も、代謝反応をつかさどる酵素群も、あるいは細胞のクッションとして働くコラーゲンも、すべて、それぞれ役割と形の異なるタンパク質である。

細胞の中で、あるいは細胞と細胞のあいだで、実際に生命活動を行っている分子的な実体は、タンパク質である。血糖値をコントロールするホルモンであるインシュリンも、外敵と闘う抗体も、代謝反応をつかさどる酵素群も、あるいは細胞のクッションとして働くコラーゲンも、すべて、それぞれ役割と形の異なるタンパク質である。
桜の季節である。一斉に咲いた花は散り、まもなく青い若葉に覆われる。よく見ると街路樹の桜にも小さな赤いサクランボが実っていることに気づく。子どもの頃、私はこの堅くて小さなサクランボをたくさん集めた。そして土に植え、水をやり、芽が出るのを待った。しかしどんなに待っても桜の芽が出ることはなかった。その理由を知ったのはずっとあとになってからのことである。