ソトコト ソーシャル&エコ・マガジン

福岡伸一の生命浮遊

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vol.149 オートファジーは、
動的平衡を支えるしくみ

2016年のノーベル医学・生理学賞は、日本人研究者・大隅良典氏のオートファジー研究に対する貢献に対して授与された。今回は、これまでの本コラムのストーリーからちょっと離れて、この話題を論じてみたい。ここ数年来、次々と日本人がノーベル賞に輝くことが続いた(忘れっぽい人のために列記すると、12年は、iPS細胞の開発で、山中伸弥氏が医学・生理学賞、14年は、青色ダイオードの発明により、赤崎勇氏、天野浩氏、中村修二氏に物理学賞、15年は、寄生虫病薬の開発で、大村智氏に医学・生理学賞、ニュートリノ研究で、梶田隆章氏に物理学賞)ので、今回も大きなニュースになった。

vol.139 消化管は生命の最前線

前の回で、私たちが、遺伝子GP2を求めて研究を進めたことに触れた。そのときのことをもう少し詳しく語ってみよう。新種の昆虫を発見し、それに命名、図鑑に記載したい、という少年の日の夢は果たすことができなかったが、代わりに細胞の森の中に分け入ってみると、そこに存在する遺伝子、タンパク質はほとんどが未知のものだった。

vol.130 がんの転移と免疫

前回紹介した『ニューヨークでがんと生きる』の千葉敦子は、乳がんを患い、その後、繰り返し起こった転移・再発と闘い続け、彼女が終(つい)の生活の場として選んだ街・ニューヨークで、親しい友人たちに看取られながら旅立った。享年43という若さだった。

vol.124 クワシオコア

私は、膵臓や消化管の生理学を研究してきたので、人間の栄養学についてもいろいろと学んだ。その中でクワシオコア(Kwashiorkor、クワシオルコルと表記されている場合もある)という名の病気を知った。この不思議な名称は、アフリア・ガーナ沿岸部の土地の言葉で、「上の子ども、下の子ども」という意味だという。

vol.116 カハール・記憶・イシグロ

1906年、ノーベル賞委員会は、神経組織の解剖学的研究に寄与したことに対して、ゴルジとカハールにノーベル医学賞を同時に授与した。この分野の立役者ゴルジにとってノーベル賞の受賞はもちろんある意味で当然ではあったが、あとからこの分野に入ってきた──ゴルジからみると文字どおりの新参者だった──

vol.112 ロックフェラー再訪

今年の4月からしばし日本を離れ、米国ニューヨーク市に滞在している。サバティカル(研究休暇)制度を利用して、当地にあるロックフェラー大学に客員研究員として留学しているのだ。ロックフェラー大学は1901年創立。それまでドイツに先導権を握られていた基礎医学の研究のイニシアティブを米国に引き寄せるため、財閥・ロックフェラーの肝いりで設立された。

vol.84 パンスペルミア説

DNAの情報をタンパク質へと橋渡しする仲介役のRNA。生命が始まった頃、このRNAが一人二役、すなわち、情報を保存し、次世代へ継承するDNAの役割と、化学反応を触媒するタンパク質の役割、その両方を担っていたのではないか。これが「RNAワールド」仮説である。

vol.71 建築学と生物学のあいだ

建築家・隈研吾さんとお会いしたり、東大・建築学科の院生が主宰するセミナーに参加したりと、このところアーキテクト方面に接点がある。わたしは生命科学を研究している者だから、もちろん建築学のことは何もわかっていない。ただ建築家には昔からあこがれがあるし、面白い建物を見ると不思議な吸引力を感じる。

ゴミ、捨てんなよ!

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