ソトコト ソーシャル&エコ・マガジン

福岡伸一の生命浮遊

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vol.158 サンガー会の思い出

ニセモノのヌクレオチド、つまりダイデオキシヌクレオチドを使って、DNA合成を途中で止め、その止まったところのヌクレオチドの種類を読み取ることによって、順次、DNAの遺伝暗号を1文字ずつ解読していく。根気のいる、しかしこの画期的な方法の原理を最初に編み出したのが、英国の生化学者、フレデリック・サンガーである。

vol.157 遺伝子配列解読法

AGGCCTGGCTCGAATGACTT……。このようなA、T、C、Gの4文字からなる文字列が遺伝暗号の配列である。A、T、C、Gは、それぞれアデニン、チミン、シトシン、グアニンと名づけられたヌクレオチドという化学物質で、互いに似ているが少しずつ構造が違う。これが化学結合を介して、数珠玉状に連結しているのが、DNAである。

vol.134 細胞の分化と初期化

われわれ多細胞生物の細胞は──それはヒトの場合、総計数十兆個になると推定されるが──もともと精子と卵子が合体してできたたったひとつの受精卵細胞に由来する。受精卵細胞が分裂を繰り返し、2、4、8、16、32、64、128、256、512、1024と増えていく過程で、徐々に変化を遂げていく。

vol.90 ヒトはチンパンジーよりも

ヒトとチンパンジーのゲノムを比較すると98%以上が相同で、ほとんど差がない。では残りの2%足らずの情報の中に、ヒトを特徴づける特別な遺伝子があり、その有無がヒトをチンパンジーとは異なる独自の生物にしているのだろうか。おそらくそうではない。DNA情報におけるこの2%足らずの差というのは、特別の遺伝子を持っているか、いないか、といった質的な差ではない。

vol.87 ジャン・ラマルク

DNAの配列情報が、タンパク質の配列情報に反映される。そしてDNAとタンパク質の情報の記述法、つまりDNAの文字(ヌクレオチド)とタンパク質の文字(アミノ酸)の対応が、基本的にはすべての生物で共通であるという事実は、生物の多様性が単一の生命の起源から出発し、その文法をずっと継承していったことを示唆している。

vol.86 DNAとタンパク質の文法

DNAの3文字が、タンパク質の1文字にあたる。DNAの1文字は4種のヌクレオチド、アデニン、シトシン、グアニン、チミン(ふつう、A、C、G、Tと略される)。タンパク質の1文字はアミノ酸である。タンパク質を構成するアミノ酸は20種ある。だから、DNAの文字情報が、タンパク質の文字情報を保存するためには、ヌクレオチド3文字が、アミノ酸1文字に対応することになる。

vol.85 トリプレット暗号

DNAは生命の設計図である。教科書や参考書にはそんなふうに説明が記されることが多い。それはDNAに、タンパク質の情報が書き込まれているという意味である。つまりDNAはタンパク質の設計図である。しかしDNAという物質に、どのようにしてタンパク質という物質の情報が「書き込まれている」のだろうか。

vol.84 パンスペルミア説

DNAの情報をタンパク質へと橋渡しする仲介役のRNA。生命が始まった頃、このRNAが一人二役、すなわち、情報を保存し、次世代へ継承するDNAの役割と、化学反応を触媒するタンパク質の役割、その両方を担っていたのではないか。これが「RNAワールド」仮説である。

vol.81 遺伝子の数え方

ヒトのゲノムにはおよそ二万数千もの遺伝子がコードされている。こんなふうな言い方をしばしば耳にする。DNAは4つの化学物質(ヌクレオチド)が連鎖した文字列である。では、ひとつの遺伝子とはいったいどこからどこまでを、どのように数えるのだろうか。

vol.80 小さなネックレス

1匹の大腸菌は薄い膜で取り囲まれたひとつの細胞である。ひとつの細胞でひとつの生命。つまり大腸菌は単細胞生物である。そして子孫をつくるときは雄も雌も必要ではない。ただ細胞分裂して2匹に増えるだけでよい。もういちど分裂すれば4匹、さらに分裂すれば8匹、16匹、32匹……10回分裂を繰り返せばその数は1000を超える。

ゴミ、捨てんなよ!

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