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駒崎弘樹の日本の第三の道 持続できる政党をつくることが、日本の未来のために一番必要。

駒崎弘樹 こまざき・ひろき × 東 浩紀 あずま・ひろき

駒崎: 僕は自身を「中道左派」だと思っていたんですけど、福島の原発問題などを先鋭的な左翼の人たちと話していると、左派的なるものにすごく幻滅してしまいました。3.11後に自民党政権ができて、左派による「アベ死ね」的なムーブメントが盛り上がりつつも、それが実を結んでいない。一方でSEALDs的なものが具体的に政策に影響を与えてるかというと……そうでもないですよね。

東: 原発事故のあと、原発政策は変わると思ったんです。けれど現実には、たしかに一時期こそ反原発運動が高まったけれど、人々がその反原発運動そのものに失望することで、結果的に社会全体は原発推進に傾いた。

駒崎: そうなんですよね。

東: 歴史はむずかしいですね。原発事故が起きたのに、反原発が強くならない。逆に原発推進が強くなることがある。政治にしても、3.11以降、本来ならばリベラルが強くなってよかったのに、リベラルが失敗を繰り返してしまったから、より一層、保守感が募る状態になっている。

駒崎: そうですよね。

東: ヘイトスピーチ対策法が成立しましたよね。あの法律はいいんだけれど、反ヘイト側もやり過ぎな面もある。そのうち反動が来て、逆にヘイトは高まるかもしれない。歴史はそういうふうにねじれながら進むんですね。話をSEALDsに戻すと、SEALDsは基本的には神輿みこしにすぎないから、ちょっと状況が変われば、みんなが奥田愛基くんに失望したって言いだすでしょう。参院選後は、「結局SEALDsって何だったんだろう」っていう話になるんじゃないかな。

駒崎: フランス革命後に反革命があったように、まさに歴史は繰り返しますからね……。18歳選挙権はどう思います?

東: あまり期待していません。ネット選挙解禁のときも、みんなすごく期待したけど、実態は自民党が強くなっただけでしょう。18歳選挙権も同じだと思います。そもそも「若者=左翼=改革勢力」ではない。そう思う人たちの期待自体、内容がない。

駒崎: 東さん、絶望していますね(笑)。

東: 僕の状況分析は、未来に希望を持ちたいからこそ言い続けてるんだけどね。1993年の細川内閣による政権交代以降、同じ名前で存在している政党は、自民党と共産党と公明党だけでしょう。

駒崎: 民主党も民進党になりましたしね。

東: この20年の政界再編で、野党側は深く議論しないで「とにかく共闘だ!」をやり続けてきました。共闘と失望を繰り返している。いまも民進やほかの野党が共闘って言っていますけれど、参院選後は絶対に失望が来ると思います。だって中身がない。今後は「中身のあるリベラル」を、10年、20年続く単位でつくらないと駄目です。今一番必要なのは「存続」です。つくづく、民主党は名前を変えるべきじゃなかった。

奥田愛基くん
安全保障関連法に反対する大学生らの団体「SEALDs」の代表。今年の8月15日に団体を解散すると語っている。「SEALDs」とは、「自由と民主主義のための学生緊急行動」の略称。
18歳選挙権
今年7月に行われた参議院選挙から18歳と19歳の約240万人が有権者に。総務省によると投票率は18歳が51.17%、19歳は39.66%。全有権者の全国平均は54.70%と過去4番目の低さだった。
自民党と共産党と公明党だけ
公明党は1994年に解散し、「公明新党」と「公明」に分党したが1998年に「公明」と「新党平和」が合流し、新しい「公明党」が結成された背景がある。

ゴミ、捨てんなよ!

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