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熊野から日本再生を祈る

 みなさんは、東京の中心地、渋谷駅や池袋駅から徒歩10分ほどのところに、清掃工場があるのをご存じですか? 周囲の方たちがそれと気づかないほど、煙や臭いなどの影響がありません。また日本では、ごみはきちんと分別され、多くがリサイクルされています。日本のごみ処理技術は世界にPRできるほどで、その技術で日常のごみは処理されてきました。

 今、東北の被災地では、大量のがれきが今なお処理できずに仮置き場に積まれています。震災直後は、多くの自治体が支援を申し出てくれましたが、その後、各地の清掃工場の焼却灰などから放射性物質が検出され、「放射能汚染が広がるのでは」という誤解が生まれ、がれき処理への支援が止まってしまいました。

 そこで、広域処理をお願いするのは岩手県と宮城県のものだけであること、焼却試験などを重ね科学的に安全性を確認したこと、そして、被災地と受入れ先でもきめ細かな測定を行い、安全性を確認することなどの条件を整え、全国にがれきの受入れをお願いしてきました。受入れ先の自治体も、がれきの安全性に関して、住民の方々に納得いただけるよう丁寧に説明会を開いています。ようやく、少しずつですが、受入れ先は増えています。

 今回の特集では、がれきを再生し、新たに美しい芸術品や建築物、商品として蘇らせる被災地でのたくましい取り組み、そして被災地を応援する全国各地での取り組みを紹介しています。

 がれきの処理は特別なことではなく、通常のごみ処理の中の数パーセントにがれきを混ぜていただきたい、また、これまでのリサイクルの循環の輪にふたたび加わりたいという被災地からのお願いです。日本がこれまでに培ってきたリサイクルやごみ処理技術を生かせば、結果的には、早く、安全に、安くがれきを処理することができるのです。

 最後に、震災から1年5か月近くが過ぎ、被災地の厳しい現状に対する社会の認識が薄れつつあるように感じています。今回の特集が、あらためて被災地の問題を思い起こし、「他人ごと」から「自分ごと」化するきっかけに、そしてがれきに対する漠然とした不安感を払拭していくことにつながれば幸いです。さらに、被災地の人々と応援する人々、そのつながりを広げ、続けていくことが、日本の新しい社会のあり方にもつながるのではないかと期待してやみません。

バックナンバー
  • 熊野から日本再生を祈る
  • 花と音楽で、がれきが再生と希望のシンボルに
  • がれきに花をさかせましょう!
  • 御神木が見守る子どもたち、新しい町
  • 岩手県、宮城県の震災がれきを日本全体で処理しよう!
  • 想いをつなぎ、伝えるがれき
  • あなたも応援できるがれき処理!
  • 震災がれきのこと、みんなで考えよう
  • がれきがなくなって、復興が始まります
  • 広域がれき処理のこと、みんなで考えよう Part2
  • あさひ幼稚園のいま。
  • 想いをつなぎ、伝えるがれき

ゴミ、捨てんなよ!

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