今月のソトコト環境移動教室
ソトコトは、読者の皆様や、NPO・NGOで活動されている方々のボランタリーライフを応援していきます。
このホームページは、誰もが参加できる様々なNPOやNGOの活動を紹介するイエローページや、子供たちのための情報教育プログラム、ボランタリーライフを積極的に楽しみたい方々のための掲示板・Blog、イベントカレンダーなど、all freeで公開するサポートサイトです。
キーワードは、「LOVE&HARMONY」 。
ソトコトは、人と地球が共鳴しあう、楽しいボランタリーライフを応援します。
月刊ソトコトでは、トヨタの協力により、「ソトコト環境移動教室」を開催しています。子どもたちと一緒に体験するエ コロジー。あしたの地球のために、いまできることは?
そんなコンセプトから、毎月一回、様々なジャンルで活躍さ れる方々を講師として迎え、子どもたちと一緒にフィールド ワーク型の環境スクールを開催。
講義プログラムは、日本各地で活動されているNPOやNGOの 方々との協業で行っています。
ここでは、環境移動教室のレポートや、参加いただいた講師、 NPO/NGOのスタッフの方々のプロフィールも紹介しています。
右上/わんずの高さは100メートル。右下/主塔には出資した市民の名前が刻まれている。左上/主塔の中から見上げる。
主塔の中を見学中の子どもたちと長尾さん、そして説明してくれた下山さん。発電量表示パネルには、風速や発電量など、さまざまな数値が並んでいる。子どもたちはパネルを覗き込み、「発電量が増えた!」と、今まさに電気がつくられていることを実感していた。
「風車の中に入ったのは初めて!」と喜ぶ子どもたちと長尾さん。「電気はスイッチを押すと簡単に使えるけど、こうして風車が電気をつくっているところを見学したら、もっと大事に使おうと思いました」と感想を口にしていた。
上/毛豆を蒔き終わったら、男の子たちがジョウロで水を撒いた。下/豆を蒔いて2か月ほど経った毛豆。「おいしい毛豆ができるといいね」と長尾さんと女の子。
右上/苗床に培養土を敷き詰める木村さん。左上/苗床の底から水を吸収させ、底面の穴からの土の流出を防ぐ。右下/指で穴を掘りながら、1つの穴に2粒ずつの毛豆を植え付ける。左下/「大きく育ってね」と声をかけながら豆を植える。
「わあ、すごく大きい!」「こんなに近くで見たのは初めて!」
青森県・鯵ヶ沢町にやって来た8人の子どもたちと、講師であるアーティストの長尾昌枝さんは、塔の高さ65メートル、翼の長さ35メートル、最も高いところで100メートルにもなる風車わんず≠、声を上げながら見上げた。「わんず≠チてどういう意味か、わかるかな?」と、風車に感動している子どもたちに問いかけるのは、NPO法人グリーンエネルギー青森・事務局長の三上亨さんだ。「津軽弁で私たちのもの≠ニいう意味です。これは市民風車といって、鯵ヶ沢町や青森県、そして全国の人がお金を出し合って建てた、みんなの風車なんですよ」。
この風車、正式には「あおもり市民風力発電所」といい、全国で2例目の市民風車だ。計776人からの出資と補助金によって建てられ、2003年2月に営業運転を開始した。発電容量は1500kWで、年間では約370万kWh。それは、約1100世帯分の使用電力に相当するという。発電した電気はすべて東北電力に1kW当たり11・5円で売電し、その利益から年に1度、出資者に配当を行っている。
子どもたちと長尾さんは、風車の主塔の中に入って設備を見学した。案内してくれるのは電気主任技術者の下山康彦さん。塔の中からも上を見上げる子どもたちは、「頂上まで上れるの?」と下山さんに尋ねる。
「月に1回、いちばん上まで上って点検しているよ」
「何の点検?」
「翼の回転具合や発電機の油漏れがないかをチェックするんだ」
子どもたちは下山さんの説明を聞きながら、デジタル数値が並ぶ発電量表示パネルに興味を示した。
「これは、風速や発電量を示すパネルだよ。見てごらん、今、何メートルの風が吹いている?」と、下山さんが風速を示すデジタル数字を指すと、子どもたちは台に乗って表示画面を覗き込んだ。
「風速は5・2メートル」
「そう。今の発電量は、142kWhだね」
「あ、6メールを超えた!」
「発電量も、300kWhに増えたよ! すごい」
「風の強さは刻々と変わるから、発電量も常に変化するんだ」
「風が吹けば吹くほど電気もたくさんつくられるということ? じゃあ、もっと風が吹いて、たくさん発電すればいいね!」
見学を終え、自分たちの生活を支えているエネルギーが生まれている現場を体験した子どもたちは、「電気が風車でもできて、家に届いていたなんて知らなかった」「大事に使わなきゃ」と、電気の大切さを実感していた。
グリーンエネルギー青森では、市民風車わんずを地域の活性化にも役立てようと、風丸≠ニいうブランドを立ち上げ、農作物の販売を行っている。わんずの出資者に畑の一坪オーナーになってもらい、そこで農作物を栽培しているのだ。そのひとつが、枝豆の一種である毛豆≠フ栽培。育てているのは、鯵ヶ沢町で農業を法人化して営む白神アグリサービスの木村才樹さんだ。木村さんに教わりながら、子どもたちは毛豆の種蒔きを体験した。
まず、作業台に並べられた苗床に培養土を敷き詰める。そして、苗床の底から土が流出するのを防ぐために底面から水を吸収させる。水を貯めた水槽まで苗床を運び、底の部分だけしばらく水に浸けておくのだ。「重い!」と顔をしかめながら、子どもたちは頑張って苗床を抱え、土に水を吸わせた。
水を吸った苗床を再び台の上に戻すと、手のひらで表面をならし、豆を蒔くための穴を指で掘った。
「豆の大きさの23倍の深さの穴を開け、豆を2粒ずつ蒔いてね」
と、木村さんが言う。
「どうして2粒蒔くの?」
「2粒の豆に生長を競わせるため。1粒だけ蒔いた時より早く大きくなるんだよ」
「そうなんだ」と、子どもたちと長尾さんは不思議そうな顔で、互いに競争しながら芽を伸ばす豆の姿を想像しながら、1つの穴に2粒ずつ、55マスに区切られた苗床に110粒の毛豆を植え付ける。豆を蒔き終わると、「元気に芽を出すんだよ」と、上からやさしく土をかぶせ、最後にジョウロで水をかけた。
「4、5日もすれば芽が出るよ」と木村さん。
「そんなに早くに?」と、子どもたちと長尾さんが驚く。
「9月末から10月頃に実るから、今度は収穫しにおいで」と笑顔で声をかけると、子どもたちは「楽しみ!」と、土に隠れた緑色の小さな豆を見つめていた。
ペーパークラフト・アーティストとして活躍する以前は、大手文具店の洋紙売り場に勤務していた長尾昌枝さん。「私のエコは“無駄遣いをしない”こと。モノを買う時には、必要かどうか吟味してから買います。紙もそう。紙を大量に使う仕事をしているので、できるだけ大切に使おうと、切れ端も捨てずにストックしていました。けれども、増えすぎてストックする場所がなくなってしまい、それ以来、買う量を減らすようにしています」。言うなれば、仕事上のリデュースだ。では、暮らしの中ではどんなエコを? 「例えば、“ここに棚があれば便利かも”と思ったら、まず段ボールで作って試します。しばらく過ごして、本当に便利だと感じたら棚を買いに行きます。ケチでしょうか?(笑)」。モノがあふれている現代、ケチだと思うぐらいの消費がちょうどなのかもしれない。 |
「高知県の母の家の近くにも風車が建っています。風力発電がもっと普及すればいいですね」と、アーティストの長尾昌枝さん。 |
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