月刊ソトコトでは、トヨタの協力により、「ソトコト環境移動教室」を開催しています。子どもたちと一緒に体験するエ コロジー。あしたの地球のために、いまできることは?

そんなコンセプトから、毎月一回、様々なジャンルで活躍さ れる方々を講師として迎え、子どもたちと一緒にフィールド ワーク型の環境スクールを開催。

講義プログラムは、日本各地で活動されているNPOやNGOの 方々との協業で行っています。

ここでは、環境移動教室のレポートや、参加いただいた講師、 NPO/NGOのスタッフの方々のプロフィールも紹介しています。

今月のソトコト環境移動教室

 

右上/周辺に高層ビルやマンションが林立する、豊島区の旧朝日中学校の校庭を畑として活用。校庭を囲むネットにはひょうたんが蔓を伸ばし、実をたくさん実らせていた。右下/畑やプランターには手描きの看板が。“かぼーん”は、小さいお花などを植えているプランター。カボチャを育てていたことからこの名前に。左/新しくつくる“コンポスト”の説明をするカブさん。「収穫が終わった野菜の茎や雑草は刈り取って、コンポストで堆肥をつくりましょう」。

上・左中・左下/咲き終わったヒマワリの大輪には種がいっぱい。子どもたちは夢中になってその種を掻き出した。「ほら、こんなにたくさん取れたよ。この種を畑に蒔いて、来年もヒマワリの花を咲かすんだ」。種を取り終えたヒマワリは、コンポストに入れて堆肥に。右下/校舎で打ち合わせをした後、校庭の畑へ向かうカブさんと子どもたち、そして保護者の方々。晴れ渡った秋晴れの一日、午後には汗ばむ陽気となった。

 

f クラフト作業用に植えている綿も収穫。「これで服をつくるんだよ。知っていた?」「知らなかった」と手にのせ、ふんわりとした感触を味わった。

右上/刈り取ったトウモロコシを担いで走る男の子。右下/畑づくりのための肥料を運ぶカブさんと女の子。「持てる?」「うん」。左/収穫したポップコーン用のトウモロコシとオクラを手に、ニコリ。

 少子化の影響で閉校となる小・中学校が後を絶たないが、その一方で、使われなくなった校舎や校庭を利用して、地域の活性化やコミュニティづくり、子どもたちの創造の場として役立てようという動きも盛んだ。ここ、東京都豊島区の旧豊島区立朝日中学校では、文化と芸術を創造するための『にしすがも創造舎』がオープン。NPO法人芸術家と子どもたちは、ここを活動拠点にしながら、グリグリ(Greeting Greens)≠ニいうユニークなプロジェクトを行っている。
  グリグリは、アート活動の一環として、旧朝日中学校の校庭の一部で畑を耕し、子どもたちとともに野菜を育て、収穫の喜びを体験するプロジェクト。畑の農作業で得た体験を、アートとして表現するのだ。
「校庭での畑づくりをはじめ、緑に関わるワークショップを通じて、近隣の子どもたちや地域住民の交流をいっそう活気づけていきたい」と、芸術家と子どもたちの代表、堤康彦さんはいう。
  この日の作業は、実った野菜の収穫と、秋の種まきに向けての畑の整備。さらに、新しい畑に何を植えるかを、絵を描きながら相談する。その作業に、同学校がある西巣鴨地区近隣に暮らす元気な子どもたちが参加した。

 

畑に赤とんぼが飛ぶ、秋のはじまり。地元のお祭りがある日に今回の収穫作業が行われた。校庭に集まった6人の子どもたちはさっそく畑に入り、お気に入りの野菜の収穫をはじめた。
「プチトマトが実ってるよ」
「オクラも生ってる!」
  すでに主な夏野菜の収穫時期は終わっているため、たくさんの野菜を採ることはできなさそうだが、ゴーヤーやプチトマトなど、まだおいしそうに実っている野菜も数種ある。子どもたちは目を輝かせ、太陽の光を浴びた野菜に手を伸ばしている。
「たくさん実ってるね。どんどん採っていいよ」と子どもたちに声をかけるのは、今日の講師である美術作家のカブさん。植物をテーマにしたアート作品を創作しながら、グリグリの活動をはじめ、子どもたち対象のワークショップを数多く行っている。
「もう終わって枯れちゃった野菜や花は抜いてしまおうね」と、子どもたちが収穫する横で、枯れたヒマワリの茎を根っこごと引き抜く。枯れた野菜や雑草は1か所に集められ、堆肥をつくるための手づくりコンポストに入れられる。グリグリでは、畑から出る廃棄物を活用した循環型の農場を目指しているのだ。
  黒く枯れてしまったヒマワリも堆肥となる。けれども、枯れた花のなかにはぎっしりと種が詰まっている。子どもたちは、捨ててしまう前にその種を取り出していた。
「夏に咲いたヒマワリ、見た?」
「お家のほうでも咲いてた」
「またこの種を蒔いて、来年もヒマワリを咲かそうね」
「うん」と、大きな黄色い花を咲かせたヒマワリに感謝するように、小さな手でていねいに種を取り出している。ちなみにこのヒマワリは、ひまわりフェスティバル≠ナ知られる栃木県・野木町からもらった種から咲かせたものだ。
  収穫が始まってしばらくすると、「こんなに採れたよ」と、女の子が袋にいっぱいの野菜を詰めて畑から出てきた。
「ゴーヤーと、プチトマト。それから、パプリカとオクラもあるよ」と、自分たちで育てた採れたて野菜を自慢げに見せてくれる。
「どの野菜がいちばん好き?」
「うーん、プチトマト!」と、女の子はニッコリ。そして、「ねえ、ゴーヤーとトマトのスープっておいしい?」と、カブさんに尋ねる。
「おいしいと思うよ。でも、ゴーヤーは苦いかな」
「じゃあ、トマトだけのスープにする!」
  隣の畑では、珍しいほおずきも実っていた。
「これ、食べられるの?」と、興味深げに近づいてくる子どもたち。普段よく目にする観賞用のほおずきではなく、小振りな食用のほおずきだ。
「甘酸っぱい!」と、ちょっぴり顔をしかめながらも、ほおずきの実をいくつも食べている。その味が気に入ったのか、手のひらいっぱいにほおずきを摘んでいた。
  初秋とはいえ、30度を超す残暑のなか、子どもたちは額の汗を拭いながら実った野菜を収穫し、終わった野菜を刈り取り、雑草を引き抜いて集めていた。

 

東京・浜松町生まれのカブさん。祖父とスイカを食べ、その種を蒔いてみたり、所狭しと鉢を並べて季節を楽しんだりしながら、下町の人のお花を愛する心を受け継いでいったのだという。週末には親戚が住む川越で、畑仕事を手伝い、土と触れ合っていた。最近気になる環境問題は、「やはり、地球温暖化ですね。今年の3月にニューヨークで展覧会を行い、帰りの飛行機で北極の近くを通ったのですが、窓から地上を見下ろすと、氷河が少なくなっているのがわかったんです。アラスカも氷がなかった。温暖化の怖さを実感しましたね。こういうアート活動も大事ですが、“木を植える”という作業が人間にとって最優先のことなのかなと思いました。今後は、緑を増やす植林活動も行いたいですね」。

 

造園業者に勤務したり、ガードナーとしても働いた経験を持つカブさん。「アートを通して、あるいは畑で遊びながら、子どもたちにもっと緑のことを知ってもらいたいですね」。

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