今月のソトコト環境移動教室
ソトコトは、読者の皆様や、NPO・NGOで活動されている方々のボランタリーライフを応援していきます。
このホームページは、誰もが参加できる様々なNPOやNGOの活動を紹介するイエローページや、子供たちのための情報教育プログラム、ボランタリーライフを積極的に楽しみたい方々のための掲示板・Blog、イベントカレンダーなど、all freeで公開するサポートサイトです。
キーワードは、「LOVE&HARMONY」 。
ソトコトは、人と地球が共鳴しあう、楽しいボランタリーライフを応援します。
月刊ソトコトでは、トヨタの協力により、「ソトコト環境移動教室」を開催しています。子どもたちと一緒に体験するエ コロジー。あしたの地球のために、いまできることは?
そんなコンセプトから、毎月一回、様々なジャンルで活躍さ れる方々を講師として迎え、子どもたちと一緒にフィールド ワーク型の環境スクールを開催。
講義プログラムは、日本各地で活動されているNPOやNGOの 方々との協業で行っています。
ここでは、環境移動教室のレポートや、参加いただいた講師、 NPO/NGOのスタッフの方々のプロフィールも紹介しています。
上/落ち葉をかき分けて探すと、タケノコ発見。右下/宇津木の森の中、タケノコがたくさん生息するポイントへ移動する子供たち。左下/小学1年生の男の子は、自分の背丈ほどあるスコップに精一杯の力を込めてタケノコを掘り起こす。「頑張れ!」と菊池さんも応援。
「タケノコ掘りは初めて」という子供たちも自分の手でたくさんのタケノコを掘り起こした。右端の男の子が手にする小枝にはヒメキクラゲが生えていた。
上/子供たちが収穫したタケノコ。下2点/宇津木の森には、一般に見られる外来種の西洋タンポポではなく、在来種のカントウタンポポが多く自生する。
東京都心から中央自動車道を通り、約1時間。八王子市の住宅街に囲まれるように残る「宇津木の森」が今日の教室。15年前に東京都の保全地域に指定された貴重な自然地だ。
現在の日本の多くの里山がそうであるように、宇津木の森も人々の生活の変化とともにその役割を失い、手入れされずに荒れたまま放置されていた。その状態を知った国際環境NGO「FoE Japan」が里山の新しい活用を促すために、5年前から「里山再生プロジェクト」を行っている。今日はそのプログラムのひとつであるタケノコ掘りや椎茸の菌打ちを子供たちが体験する。FoE Japanの和田鈴子さんが子供たちを集めた。
「この宇津木の森の竹林は手入れがされない間にどんどん広がって、本来生えているコナラやクヌギ、スギやヒノキの生長を邪魔するほどになっています。だから今日はタケノコを掘って、これ以上竹林が広がって害を及ぼさないように間引きをしようというわけ。みんな、たくさん掘って食べましょうね」
「はあい!」
子供たちは元気よく返事をする。講師として参加するモデルの菊池亜希子さんも、「私は岐阜県の山村で育ったので、こういう森の中に来ると故郷を思い出します。柿の名産地だったので柿の収穫を手伝っていましたが、タケノコ掘りは初めて。とても楽しみ」と、声を弾ませる。
子供たちの多くもタケノコ掘りは初めてのようだ。
「頑張ってたくさん掘ろうね」と菊池さんが声をかけると、「うん。いっぱい採れるといいな」と、落ち葉の積もった山道を踏みしめながら森の中へ分け入っていった。
タケノコ掘りのポイントに着くと、子供たちは地面の草や落ち葉をかき分けながらタケノコを探しはじめた。FoE Japanのアドバイザーとして参加している樹木医の岩谷美苗さんによると、タケノコは地中に張った竹の根から連なって生えるため、土から頭を出しているタケノコを1本見つけたら、根を追いかけて直線的に探していくとその先に2本目、3本目が見つかることが多いそうだ。
「竹はひとつの集合体として増殖します。日陰でも生長するのは、集合体の中の1本でも日向に生えている竹があれば、その竹が光合成をし、根を伝って日陰の竹に栄養を届けることができるから」と、岩谷さんが教えてくれる。
「そうなんですか。知らなかった!」と、菊池さんは竹の繁殖力の強さに驚いていた。
そうしているうちに、小さな男の子が「あった!」とタケノコを発見した。駆け寄る菊池さんに、「僕が見つけたんだ」と土から顔を出したタケノコを自慢げに見せる男の子。自分の背丈ほどの大きなシャベルを持って掘りはじめたが、男の子はまだ小学1年生で体が小さく、大きなシャベルがなかなか思うように扱えない。
「掘ってあげようか?」と、菊池さんが手を貸そうとするが、「ううん、やってみる」と自分の力で掘り上げようと、懸命にシャベルを地面に突き刺そうとする。
「タケノコを傷つけないように、まわりから掘っていかないとね」という菊池さんのアドバイスに従い、離れたところから広めに穴を掘っていく。大きなシャベルにもしだいに慣れ、足をシャベルの金属の部分にかけて土中に刺し、土を大きく掘り返せるようになってきた。
「うまいね!」と、菊池さんも感心。「でも、深そうだよ。大丈夫?」「うん、大丈夫」と男の子は掘りつづけるが、大きなタケノコはなかなか掘り起こせない。シャベルを置いて、素手でタケノコを押してみた。しかし、タケノコのすぐそばに伸びている根が邪魔をして、最後のひと押しができない。男の子は悔しそうだ。そこで、菊池さんが軍手をはめた手でその部分の土を掘ってあげると、根とタケノコの間に隙間ができたので、「せーの!」と声をかけ、菊池さんと男の子で一緒にうんうん唸りながらタケノコを手で押した。押しているうちに、ゴキゴキと、今にもタケノコが根から外れそうな音がした。
「とれそうだ!」
なおも力を込めて押しつづけると、ついにタケノコは男の子の力に負け、「ボキッ!」という大きな音をたてて土中に横たわった。
格闘すること15分。男の子は自分の力で50センチほどもある大きなタケノコを掘り上げたのだ。
「とったぞー!」と、喜びのあまり男の子はタケノコを頭上に掲げ、みんなが振り返るほどの大きな声を上げた。
「タケノコ掘りの名人だね!」と、菊池さんも手を叩いて喜んだ。
高校、大学と、建築家になることを夢見ながらモデルの仕事をつづけていた菊池亜希子さん。「都市環境や建築の勉強をするうえで、自然との共生を考えることなく建物や街を設計することはありませんでした。今の時代、なんらかの形で自然が人の暮らしに関わってきますから」と、都市と自然のバランスの取れた関係をキープする必要を訴える。菊池さんの普段の生活の中では、ゴミの分別やエコバッグの利用はもちろん、「何か商品を買うときに、メーカーが環境に対してどれだけ取り組んでいるかを比べて選んだりもしますね。エコな商品って少し値段が高いんですが、消費者が買わなければそういう商品や企業の取り組みが先の時代にまで残りませんからね」と、プロダクトに対しての厳しい姿勢も見せた。
環境についての解説をスケッチブックに何ページも書いてくれた菊池亜希子さん。「子供たち、分かってくれたかな?」。
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